術後悪心嘔吐に及ぼす晶質液 vs 膠質液の影響:無作為化対照試験の系統的レビューおよびメタ分析

嘔吐4.png・適切な量の周術期輸液補充療法を実施することで、術後の嘔気嘔吐(PONV)の発生率を減らす可能性があるというエビデンスがある。ただし、PONV に及ぼす膠質液と晶質液の相対的な影響はまだ不明である。この系統的レビューの目的は、非心臓手術を受ける成人に膠質液を投与すると、晶質を投与する場合と比較して、PONV の発生率とレスキュー制吐薬の使用が有意に減少するかどうかを判断することであった。

・本研究は、PROSPERO(ID:CRD42016036174)に登録されている。 著者らは 膠質液か、または晶質液を無作為に投与された手術患者で、PONV の発生率と制吐薬の使用を比較した無作為化比較試験のメタ分析を実施した。リスク比(RR)と 95% 信頼区間(CI)は、変量効果モデルを使用して計算された。異質性は、I2 統計を通じて調査された。関心のある主要評価項目は、PONV 総発生率であった。副次評価項目には、術後悪心(PON)、術後嘔吐(POV)、レスキュー制吐薬使用の発生率が含まれた。

・計 843 人の手術患者を含む 9 件の無作為化試験が選択基準を満たした。晶質液と比較して、周術期の膠質液投与は PONV 総発生率を低下させなかった(RR 0.802; 95%CI:0.561、1.145; I2 = 57.168%)。ただし、膠質液注入群(RR 0.625; 95%CI:0.440、0.888)は、麻酔持続時間が 3 時間を超え、大手術を受けたサブ群で、晶質注入群(RR 1.244; 95%CI:0.742、2.085)と比較して PONV を減少させた。メタ回帰分析では、麻酔持続時間で勾配が有意(p=0.04215)であることも示された。

膠質液投与により、3 時間を超える全身麻酔下での待機的非心臓の大手術を受ける成人の PONV 発生率が低下した。ただし、PONV に及ぼす膠質液の影響を判断するには、より大きなコホートで実施された臨床研究が必要である。

長時間手術では積極的に膠質液を使用した方が循環血液量が適切に維持されるからだろうか。

【出典】
The impact of crystalloid versus colloid fluids on postoperative nausea and vomiting: A systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials.
J Clin Anesth. 2019 Dec 17:109695. doi: 10.1016/j.jclinane.2019.109695. [Epub ahead of print]

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