脳灌流に及ぼす全身麻酔導入時の低血圧の影響:成人の前向き観察研究

脳血流.png・麻酔中、平均動脈圧(MAP)の低下はよく見られるが、脳低灌流の可能性への影響は議論の余地がある。著者らは、全身麻酔導入中および低血圧エピソード中に、心血管合併症のある患者とない患者(高リスク vs 低リスク)で脳灌流を評価した。

・プロポフォール-レミフェンタニルの標準化目標制御注入を使用した神経放射線学的処置予定の患者を前向きに含めた。モニタリングには、中大脳動脈の平均血流速度(Vm)を測定する経頭蓋ドップラー(TCD)、バーストサプレッション比(SR)を備えたバイスペクトル指数、および脳近赤外分光法(NIRS)が含まれた。低血圧事象は、ノルエピネフリン 10μg のボーラス投与で治療された。

・81 人、37 人の高リスク患者と 44 人の低リスク患者が含まれた。麻酔導入中、MAP と Vm は全患者で減少し、低リスク患者と比較して高リスク患者の方が大きな変化が観察された(それぞれ -34[38-29] vs -17[25-8]%、p<0.001 と -39[45-29] vs -28[34-19]%、p<0.01)。高リスク患者では、MAP 減少は Vm 減少と相関し(r=0.48、p<0.01)、SR のより頻繁な発生と関連していた(高リスクvs 低リスクで 21 vs 5 人の患者、p<0.01)。ノルエピネフリンによる MAP 増加に対して、Vm 増加は低リスク患者よりも高リスク患者の方が大きかった(+15[8-21] vs +4[1-11]%、p<0.01)。導入中とノルエピネフリンのボーラス投与中、NIRS 値は Vm の急激な変化に追従しなかった。

著者らの結果は、高リスクの患者は、低リスクの患者よりも、MAP および Vm の減少が大きく、麻酔導入中の SR の発生率が高かった。ノルエピネフリンによる MAP の是正により、主に高リスク患者の Vm が増加した。
POINT心血管合併症のある患者群の方が麻酔導入時に低血圧をきたし、バーストサプレッションの発生率が高い。
【出典】
Impact of hypotension on cerebral perfusion during general anesthesia induction: a prospective observational study in adults.
Acta Anaesthesiol Scand. 2019 Dec 28. doi: 10.1111/aas.13537. [Epub ahead of print]

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