閉塞性睡眠時無呼吸患者の関節形成術後のクモ膜下モルヒネと肺合併症:後向きコホート研究

睡眠時無呼吸.pngこのトピックについてすでに知っていること:
クモ膜下モルヒネは、関節形成術後の鎮痛に一般的かつ効果的に使用されるが、遅発性呼吸抑制などの術後肺合併症に関連している

この記事がは教えてくれる新しいこと:
閉塞性睡眠時無呼吸患者で、マルチモーダル鎮痛に併用した低用量クモ膜下モルヒネは、術後肺合併症のリスク増加とは関連していなかった。

・クモ膜下モルヒネは、関節形成術後の鎮痛に一般的かつ効果的に使用されるが、遅延性呼吸抑制と関連している。閉塞性睡眠時無呼吸の患者は、術後肺合併症のリスクが高い可能性がある。しかし、関節形成術を受けるこの集団におけるクモ膜下モルヒネの安全性に関するデータは限られている。

・この後ろ向きコホート研究の目的は、股関節または膝関節形成術を受ける、閉塞性睡眠時無呼吸が記録されているか、あるいは疑われる 1,326 人の患者で、クモ膜下モルヒネの安全性を確認することである。診療録レビューを行って、臨床的特徴、周術期イベント、術後転帰を調査した。全患者は、低用量(100μg)のクモ膜下モルヒネ(暴露)またはオピオイドなし(対照)の脊柱管麻酔を受けた。主要評価項目は、以下を含む術後肺合併症であった:(1)ナロキソンを必要とする呼吸抑制;(2)肺炎;(3)救命救急対応チームとの協議が必要な急性呼吸器症状。(4)挿管/人工呼吸を必要とする呼吸不全。(5)呼吸補助のための集中治療室への予定外入室。(6)呼吸が原因の死亡。著者らは、クモ膜下モルヒネは術後合併症の増加に関連すると仮定した。

・1,326 人の患者で、1,042 人(78.6%)がクモ膜下モルヒネを投与された。患者の平均年齢は 65±9 歳であり、肥満指数は 34.7±7.0kg/m であった。1,326 人の患者のうち、622 人(46.9%)が閉塞性睡眠時無呼吸(STOP-Bang スコア>3)が疑われた一方で、1,326 人のうち 704 人(53.1%)が睡眠ポリグラフ診断が記録されていた。術後、1,322 人中 20 人(1.5%)の患者が肺合併症をきたしたが、そのうち暴露群では 1,039 人中 14 人(1.3%)、対照群では 283 人中 6 人(2.1%)であった(P=0.345)。全体で、呼吸抑制が 6/1 322 例(0.5%)、救命救急チームの診察を必要としたのが 18/1,322 例(1.4%)、予定外の集中治療室への入室が 4/1,322 例(0.3%)あった。これらの率は両群間で同様であった。交絡因子調整後、クモ膜下モルヒネは術後肺合併症と有意に関連していなかった(調整済みオッズ比、0.60[95%CI、0.24〜1.67]、P=0.308)。

関節形成術を受ける閉塞性睡眠時無呼吸患者で、マルチモーダル鎮痛と併用した低用量クモ膜下モルヒネは、術後肺合併症とは必ずしも関連していなかった。
POINT睡眠時無呼吸のある患者でも、クモ膜下モルヒネは安全に使用できる。
【出典】
Intrathecal Morphine and Pulmonary Complications after Arthroplasty in Patients with Obstructive Sleep Apnea: A Retrospective Cohort Study.
Anesthesiology. 2020 Jan 15. doi: 10.1097/ALN.0000000000003110. [Epub ahead of print]

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