術前リスクと、低血圧と術後急性腎障害との関連

急性腎障害.png・急性腎障害の医療への重大な影響にもかかわらず、予防に関してはほとんど知られていない。単施設のデータは、術後の急性腎障害の発症に低血圧が関係していることを示している。この知見の一般化可能性と、低血圧とベースライン患者の疾病負担との相互作用は不明のままである。著者らは、術中低血圧と急性腎障害との関連が術前リスクによって異なるかどうかを調査しようとした。

・2008 年から 2015 年までに 8 施設の病院で、成人患者に対して行われた主要な非心臓外科手術の術式がレビューされた。導出および検証コホートが使用され、症例は併存疾患と術式に基づいて術前リスク四分位数に階層化した。術前のリスク層別化後、術中低血圧と急性腎障害との関連を分析した。低血圧は、10 分以上にわたって持続した最低平均動脈圧範囲として定義された。範囲は、絶対値(mmHg)または相対値(ベースラインからの減少率)として定義された。

・138,021 件のレビュー対象症例のうち、12,431(9.0%)が術後急性腎障害を発症した。主要な危険因子には、貧血、推定糸球体濾過率、手術の種類、ASA-PS、予想麻酔持続時間が含まれた。リスクの層別化にこのような要因などを使用すると、ベースラインリスクの低い患者は、術中低血圧と急性腎障害と中に関連性がないことを示した。中リスクの患者は、重度の術中低血圧(平均動脈圧 50 mmHg 未満)と急性腎障害との関連を示した(調整オッズ比 2.62; 95%CI、検証コホートで 1.65〜4.16)。最高リスク患者では、軽度の低血圧範囲(平均動脈圧55〜59 mmHg)が急性腎障害に関連していた(調整オッズ比、1.34; 95%CI、1.16〜1.56)。絶対低血圧と比較して、相対低血圧は、検証コホートで再現できない急性腎障害との弱い関連性を示した。

非心臓手術を受ける成人患者は、術前の危険因子によって層別化した場合、異なる値の低血圧とのさまざまな関連性を示す。相対的な低血圧ではなく、絶対的な特定の低血圧値は、急性腎障害の重要な独立危険因子である。

術前リスクが高いほど、持続性の低血圧は容易に急性腎障害の発症に結び付く。術前リスクが高い患者ほど、綿密は術中管理が必要ということだな。

【出典】
Preoperative Risk and the Association between Hypotension and Postoperative Acute Kidney Injury.
Anesthesiology. 2020 Mar;132(3):461-475. doi: 10.1097/ALN.0000000000003063.

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント