周術期効率に及ぼすスガマデクスとネオスチグミン/グリコピロレートの影響

神経筋接合部.png・手術室における筋弛緩は、術後の回復を促進し、手術室の患者の処理量を維持するために、拮抗剤の使用を必要とする。コリンエステラーゼ阻害剤は、麻酔診療における筋弛緩の拮抗の治療の歴史的標準診療となっている。合成ガンマシクロデキストリンであるスガマデクスは、代替薬と比較して、筋弛緩のより迅速で予測可能な拮抗が可能であるというエビデンスとともに市場に導入された。ネオスチグミン/グリコピロレートの使用に比べて、薬剤の取得費用が高額であることから、スガマデクスのより広範な使用が制限されている。本研究の目的は、周術期効率に及ぼすスガマデクス vs ネオスチグミン/グリコピロレートの影響を調べて、医薬品の取得コストの価値を検証することであった。

・2017 年 7 月 31 日から 2018 年 8 月 1 日まで、ヒューストンメソジスト病院で外科的処置を行った患者の後ろ向き調査を実施した。主要評価項目は、拮抗薬投与から手術室退室までの時間であった。患者毎の投与量を評価して、平均薬剤獲得費用を計算した。スガマデクスの経済的利益は、1 分あたりの手術室と麻酔回復室での平均コストを見直して測定された。

・ヒューストンメソジスト病院には、研究に含める対象となる合計 640 件の手術症例があった。単変量解析では、薬物投与から手術室退室までの時間は、ネオスチグミン/グリコピロレートと比較してスガマデクスの方が有意に速かった(P<0.001)。ただし、線形回帰で測定した場合、スガマデクスとネオスチグミン/グリコピロレートの手術室退室時間の差は統計的に有意ではなくなった(P=0.122)。医薬品の取得コストの見直しにより、178.20 ドルの差額が浮彫にされ、ネオスチグミン/グリコピロレートの使用が好ましいとされた。

スガマデクスの使用は、手術室で節約される所要時間や、手術症例数を増やすためのワークフロー推計容量とは相関しない。薬剤の購入費用を考慮すると、スガマデクスの使用が臨床的に重要な適応症に制限されるべきである。

:スガマデクスの使用が、手術室の効率的運営に寄与するという話もあったが、全例に使用するには高額過ぎる。高齢者の長時間手術で筋弛緩薬の使用量が多くなった時や、肝機能や腎機能の低下がある、本当に高価な薬剤が必要な症例に限って使用することで、手術室運営のコスパもより高めることができるだろう。8割以上の患者は、従来がのネオスチグミンンの拮抗でも退室が遅れたりはしない。

【出典】
Impact of Sugammadex Versus Neostigmine/Glycopyrrolate on Perioperative Efficiency.
Clinicoecon Outcomes Res. 2020 Jan 31;12:69-79. doi: 10.2147/CEOR.S221308. eCollection 2020.

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