術後の認知機能と炎症に及ぼす麻酔深度の影響:系統的レビューとメタ分析

認知症10.png・術後認知機能障害(POCD)と術後せん妄(POD)は、高齢患者でよく見られる術後合併症である。認知機能に及ぼす麻酔深度の影響は依然として不明である。麻酔深度、認知機能、炎症の間の相関を評価することを目的とした。

・文献検索は、2019 年 8 月まで Web of Science、PubMed、EMBASE、コクラン・ライブラリーで行った。全ての研究は無作為化比較試験(RCT)であった。STATA 15.0 と試験逐次解析(TSA)バージョン0.9.5.10 ベータソフトウェアをデータ分析に使用した。POD と POCD は、変量効果モデルを使用して計算された。複合効果の推定値は、95% 信頼区間(CI)のリスク比(RR)として表される。

・3142 人の患者を対象とした 10 件の RCT が選択基準を満たした。メタ分析は、浅い麻酔群の方が 深麻酔群より 1日目(RR=0.14、95%CI 0.04〜0.45; I2=0.00、P> 0.10)と 90 日目(RR=0.72、95%CI 0.54〜0.96、I2=0.00、P>0.10)において POCD の発生率が有意に低いことを示した。浅い麻酔は POD のリスクを有意に減少させた(RR=0.69、95%CI 0.58〜0.82; I2=0.00、P>0.10)。術後 1 日目の Mini-Mental State Examination スコアは、統計的群間差はなかった(標準化平均差(SMD)=0.04、95%CI -0.25〜.33; I2=0.00、P> 0.10)。TSA では、麻酔深度が POCD に及ぼす影響に関するエビデンスは不十分であったが、POD に関する結論は信頼できるものであることが分かった。

浅い麻酔は POD の減少と関連しており、深い麻酔と比較して術後により良い神経認知機能を促進する可能性がある。

脊髄以下のしっかりした麻酔をして、全身麻酔(脳の麻酔)は極力浅目にするのがいいのだろうな。

【出典】
Effects of anesthesia depth on postoperative cognitive function and inflammation: a systematic review and meta-analysis.
Minerva Anestesiol. 2020 Apr 6. doi: 10.23736/S0375-9393.20.14251-2. [Epub ahead of print]

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