小児患者における橈骨動脈カテーテル留置に際しての皮下ニトログリセリン:無作為化比較試験

ニトログリセリン.png● このトピックについてすでに知っていること:乳児の橈骨動脈カニューレ挿入は技術的に困難である可能性がある。成人患者では、ニトログリセリンが橈骨動脈カニューレ挿入を促すことがわかっている
● この記事が伝えている新しいこと:生食0.5 ml 中にニトログリセリン 5 μg/kg を加えた溶液を橈骨動脈周囲に浸潤すると、動脈カニューレ挿入の初回成功率を高めた。

・小児の橈骨動脈カニューレ挿入は、血管サイズが小さいために困難である。ニトログリセリンは強力な血管拡張剤であり、内径を増やして成人患者の血管攣縮を防ぐことにより、橈骨動脈カニューレ挿入を容易にする。著者らは、皮下ニトログリセリン注射は、小児の橈骨動脈カニューレ挿入の成功率を改善すると仮定している。

・本二重盲式無作為化対照単施設研究では、全身麻酔中に橈骨動脈カニューレ挿入を必要とする小児患者(n=113、年齢 2 歳未満)を登録した。参加者は、ニトログリセリン群(n=57)か、または対照群(n=56)に無作為化した。全身麻酔導入後、選んだ橈骨動脈の上部に超音波ガイドを用いてニトログリセリン溶液(0.5 ml に 5μg/kg)か、または生食(0.5 ml)を皮下注射した。3 分後、超音波ガイド下の橈骨動脈カニューレ挿入が行われた。橈骨動脈径は、皮下注射の前後およびカニューレ挿入後に測定された。主要評価項目は、初回試行でのカニューレ挿入成功率であった。副次評価項目は、橈骨動脈径と、血腫と血管攣縮を含む全体的な合併症率が含まれた。

・合計 113 人の小児が分析に含まれた。ニトログリセリン群は、対照群よりも初回試行成功率が高かった(91.2%[52/57] vs 66.1%[37/56]、P=0.002、オッズ比 5.3; 95%CI、1.83〜15.6;絶対リスク低減、-25.2%、95%CI、-39.6〜-10.7%)。ニトログリセリンの皮下注射により、生食よりも橈骨動脈の直径が大きくなった(25.0±19.5% vs 1.9±13.1%、平均差 95%CI、16.9〜29.3%、P<0.001)。全体的な合併症率は、対照群よりもニトログリセリン群の方が低かった(3.5%[57の2] vs 31.2%[18の56]、P=0.001、オッズ比 0.077、95%CI、0.017〜0.350、絶対リスク低減、28.6%、95%CI、15.5〜41.8%)。

小児患者で、橈骨動脈カニューレ挿入前の皮下ニトログリセリン注射は、初回試行成功率を改善し、全体的な合併症率を減少させた。

へ〜っ、そうなんだ。このテクニックは初めて知った。

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 6

驚いた 驚いた 驚いた 驚いた 驚いた
面白い

この記事へのコメント

silkhat
2020年05月17日 20:49
いつも勉強させて頂いております。以前に関西系の大学の方が載せた論文で、橈骨動脈が皮膚より2mm以内などと浅すぎる場合は、生食を表面に射って少し深く…4mmくらいにした方が超音波ガイド下に入れやすくなるような論文を出されていましたが、なるほどミオコールですか…フレッシュマンの頃は「寝ててもキシロカインの血管周囲注入をやることで、スパズムを防ぐんだ!」なんで習いましたが、これに関しては実感できず…今度は効果があるといいな、と思っております。