高齢者の股関節骨折患者に静脈内アセトアミノフェンでせん妄が減少

せん妄.png・術後せん妄は高齢者のオピオイド使用に関連しており、高齢者の股関節骨折のよく見られる合併症であり、発生率が 16%〜70% と報告されている。静脈内(IV)アセトアミノフェンは、高齢患者における安全で効果的な薬剤であり、股関節骨折後のオピオイドの使用を減らすことが示されている。当院では、高齢者の股関節部骨折患者の集学的疼痛管理レジメンの一環として、術後 24 時間に IV アセトアミノフェンを実施した。

・2016 年 1 月から 2016 年 12 月までの年齢 60 歳以上の 123 人の股関節脆弱性骨折患者の後ろ向きレビューを行った。せん妄は、検証された診療録ベースのレビューツールを使用して特定された。せん妄の割合、在院期間、疼痛スコア、オピオイド投与、1対1の監視必要性、再入院を分析した。

・65 人の患者(52.8%)は、この期間中に IV アセトアミノフェンを投与された。群間のベースライン特性に有意差は認められなかった。IV アセトアミノフェンを投与された 65 人の患者のうち 10 人は術後せん妄をきたしたのに対し、薬物療法を受けなかった 58 人中 19 人が発症した(15.4% vs 32.8%、P=0.024)。IV アセトアミノフェン群の方が、術後 1 日目に必要な IV オピオイド用量が少なく(0.37 vs 1.19 用量、P=0.008)、1対1の監視を必要とする可能性は低く(9.2% vs 24.1%、P=0.025)、入院期間が短かった(6.37 vs 8.47 日、P=0.037)。再入院率と退院先は 2 群間で有意差はなかった。

・本研究では、集学的疼痛レジメンの一環としてアセトアミノフェン IV を含めることにより、せん妄のエピソードが減少した。手術直後のオピオイド使用の減少は、この転帰の大きな要因であった可能性がある。せん妄の発生率が低いと、患者の直接監督のための入院中の医療資源の利用が減り、入院期間が短くなる。

アセトアミノフェン投与により、高齢者へのオピオイド投与量を少なくでき、せん妄を回避できる可能性が高まるようだ。

【出典】
Delirium Reduced With Intravenous Acetaminophen in Geriatric Hip Fracture Patients.
J Am Acad Orthop Surg. 2020 Apr 15;28(8):325-331. doi: 10.5435/JAAOS-D-17-00925.

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 4

なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー)

この記事へのコメント