子宮左方転移をした場合としない場合の循環動態プロファイル:帝王切開分娩に際しくも膜下ブロックを受ける満期妊婦の無作為化試験

妊娠末期子宮.png・本研究の目的は、帝王切開分娩(CD)に際してのクモ膜下ブロック(SAB)後の母体の循環動態測定値に及ぼす子宮左方転移(LUD)の影響を評価することであった。主要評価項目は、LUD と非 LUD 群の分娩前の心拍出量(CO)の差であった。

・産科手術室での前向き無作為化対照研究で、SAB による待機的 CD を受けた 60 人の健康な満期妊娠女性の循環動態プロファイルを調べた。血行動態は、非侵襲的 CO モニター、Nexfin を使用して測定された。全女性が晶質液 10 mL/kg の前負荷投与を受け、低血圧はエフェドリンのボーラス投与で治療された。満期妊婦 60 人が 2 群に無作為化された:LUD 群(SAB 後に 15-30°の LUD あり、n=30)と非 LUD 群(SAB 後に LUD なし、n=30)。収縮期血圧(SBP)、拡張期血圧(DBP)、平均動脈圧(MAP)、心拍数(HR)、CO、全身血管抵抗(SVR)、左室収縮指数(dP/dT)を含む患者循環動態変数を、SAB 前から手術終了まで持続的に測定した。

脊椎麻酔後 5 分での分娩前フェーズでは、LUD 群の方が、非 LUD 群よりも、CO は有意に高く(7.20±1.78[95%CI 6.53-7.87] vs 6.23±1.44 L /分[95%CI 5.69-6.77]; p=0.016)、dP/dT も高かあった(784±313 vs 604±241 mmHg/秒; p=0.020)。LUD 群の方が、SAB 後 5 分での母体収縮期低血圧の発生率が低かった(16.7% vs 53.3%:非 LUD 群で、p=0.003)。

・本研究は、分娩前の LUD により、適度な循環動態上の優位性(CO が高い、低血圧が少ない、dP/dT が高い)を示している。この結果は、SAB を伴う CD を受ける満期妊婦では出産するまで、LUD とする母体血行動態の利点を支持する。

帝王切開に際して、脊椎麻酔後は、胎児娩出までは子宮左方転移はやはり行った方が循環動態維持に有利だ。

【出典】
Hemodynamic profiles with and without left uterine displacement: A randomized study in term pregnancies receiving subarachnoid blockade for cesarean delivery.
J Clin Anesth. 2020 Apr 16;64:109796. doi: 10.1016/j.jclinane.2020.109796. [Epub ahead of print]

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