■ 臨床麻酔とクリティカルケアのMCQ問題 ■ 2020/04/27

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【トラブル・シューティング】〜麻酔緊急Vol.1p72

(呼吸器系)『もし空気塞栓が起きたら』

坐位での頭頂部髄膜腫摘出術中に生じた空気塞栓の1例:頭頂部の穿頭が終わった頃突然の心拍数増加とPETCO2低下と肺動脈圧上昇、ST低下を認めた。空気塞栓の発生を術者に告げ、直ちに純酸素にして右心房と手術部位との差が10cm程度となるように体位を戻した。術野ではボーンワックスを塗り、術野を生食ガーゼで覆った。SGカテのRAラインより5mlの空気を吸引できた。PETCO2とSpO2は18%、92%まで低下したが徐々に改善、事なきを得た。坐位手術では空気塞栓は必発と考えて対処すべし。輸液増加、PEEP、下肢弾性包帯で静脈圧を上げる。カプノは必須。







【問題1】(出血と輸血) 正しいのはどれか?

ア:平日時間内の手術症例よりもそれ以外の時間帯の症例の方が予後不良である。

イ:交差適合試験省略時の遅発性溶血のリスクは約1%である。

ウ:10単位の血小板濃厚液を60kgの患者に投与すると10万上昇が期待できる。

エ:RHマイナスの比率は日本では、0.5%である。

オ:緊急時であっても、赤血球濃厚液投与は交差適合試験を省略してはいけない。


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[解説] ○:平日時間内の手術症例よりもそれ以外の時間帯の症例の方が予後不良である。マンパワー不足が出血を危機的状況に拡大させる要因のひとつであるから。
○:交差適合試験省略時の遅発性溶血のリスクは約1%(患者がRhD陰性である確率が0.5%、溶血可能性のある不規則抗体を有する確率が0.5%)である。
×:10単位の血小板濃厚液を60kgの患者に投与すると2.5万上昇が期待できる。
○:RHマイナスの比率は日本では、0.5%であるが、海外では15〜20%程度が一般的である。
×:緊急を要する赤血球濃厚液投与は、交差適合試験を省略して、ABO同型血を用いる。不規則抗体陽性の場合でも、交差適合試験を行わず、ABO適合を優先する。血液型不明の場合はO型を使用する。



[正解] 解説を参照 [出典] 危機的出血への対応ガイドライン





【問題2】(周術期の呼吸不全) 終末呼気陽圧(PEEP)の合併症として起こるものはどれか。
ア:心拍出量低下
ウ:圧外傷
イ:頭蓋内圧上昇
エ:尿量低下

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[解説] 心拍出量低下には静脈還流量低下のほかに、右室圧上昇による心室中隔の左室への張り出しも関係する。気道内圧が上昇すると、脳からの静脈潅流が障害され、脳血液量が増加し頭蓋内圧が上昇する可能性がある。気道内圧の上昇により、気胸、気縦隔などの圧外傷が起こりうる。抗利尿ホルモンの上昇により尿瘻減少が起こるといわれたが、現在ではあまり関係ないとされている。心拍出量低下、レニン分泌増加、心房性ナトリウム利尿ホルモン分泌低下などが関係していると考えられている。


[正解] (全て) [出典] 麻酔科クリニカル問題集





【問題3】(局所麻酔薬) アミド型局所麻酔薬にA、エステル型局所麻酔薬にEと記入せよ。
ア:リドカイン
ウ:テトラカイン
イ:プロカイン
エ:ブピバカイン

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[解説] エステル型局所麻酔薬には、ほかにコカイン、chloroprocaine などがある。アミド型局所麻酔薬には、ほかにメピバカイン、プリロカイン、etidocaine、ropivacaine などがある。(アミド型には、iが付く!)


[正解] ア:(A) イ:(E) ウ:(E) エ:(A) [出典] 麻酔科クリニカル問題集

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