ゼラチンによる輸液療法は、腎機能に有害な影響を与える可能性がある:観察試験

急性腎障害.png・本研究の目的は、心臓手術を受ける患者で合成コロイドヒドロキシエチルデンプン(HES)とゼラチン(GEL)による輸液療法が急性腎障害(AKI)の発生率と腎代替療法(RRT)の必要性に及ぼす効果を調査することであった。

・大学病院での、心臓手術患者における前向き観察研究の二次分析である。本研究には 584 人の待機的患者(術前透析患者を除く)が含まれた。既往と手術主要データ、血行動態、循環動態治療が術中および術後に記録された。術後腎機能障害は、血漿クレアチニンおよび尿量の周術期変化から、急性腎障害ネットワークの基準に従って等級付けされた。統計的分析は、ロジスティックおよびプロビット回帰によって記述的に行われ、確立された腎危険因子としての変力薬および血管作用薬は除外された。

AKI と新規腎代替療法の発生率はそれぞれ 28.6% と 7.5% であった。 AKI 患者は高齢で、加算ユーロスコアが高く、術前の糸球体濾過率とヘモグロビン値が低く、人工心肺と手術の所要時間が長く、術後の排液量が多かった。HES(1[0-2]単位500 mL)と GEL(3[2-5]単位500 mL)は、それぞれ 317 人と 563 人の患者に使用された。晶質液ロイドは全患者で使用された(4,560[4,080-5,042]mL)。AKI または新規 RRT を生じた患者は、有意に高容量の GEL で治療されていた。HES と晶質液ロイドの使用は、これらの群間で差がなかった。プロビット回帰は、注入ゼラチン量と AKI および新規 RRT 率との間に有意な用量反応関係を示した。プロビット回帰は、注入ポリコハク酸ゼラチンの総単位と AKI および新規 RRT 率との間に有意な(それぞれ p=0.0001 と 0.0003)用量反応関係を示した。ロジスティック回帰により、注入ゼラチン単位数と AKI(グレード 1〜3)との間の関連は統計的に有意なオッズ比(OR) 1.9741(95%CI:1.3104-2.9740; p=0.0011)を明らかにしたが、投与ゼラチン単位数と新規 RRT との間には何ら直接の関連性は示されなかった。腎機能低下と HES 使用との間には何ら関連は観察されなかった。

・サンプルサイズが少ないのと事象発生率が低いという制限、変力剤や昇圧剤といった確立された腎リスク因子の考慮されていないこと、潜在的に測定されない交絡因子を考慮すると、これらの所見はゼラチン溶液が、心臓手術患者で、腎機能に有害な影響を与える可能性があることを示唆した。他の研究で観察された HES の腎機能への悪影響は、この合成コロイドの使用制限によって鈍化した可能性がある。

HES とゼラチンを比べると、ゼラチンの方が腎機能にはかなり悪いようだな。

【出典】
Fluid Therapy With Gelatin May Have Deleterious Effects on Kidney Function: An Observational Trial.
J Cardiothorac Vasc Anesth. 2020 Apr 18. pii: S1053-0770(20)30286-X. doi: 10.1053/j.jvca.2020.03.037. [Epub ahead of print]

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 1

なるほど(納得、参考になった、ヘー)

この記事へのコメント