■ 臨床麻酔とクリティカルケアのMCQ問題 ■ 2020/05/20

【問題1】(産科麻酔) 産科麻酔について正しいのはどれか? | ア:妊娠中は、血漿アルブミン濃度は上昇する。 イ:妊娠中は胆汁が胆嚢に停滞する時間が長くなる。 ウ:分娩直後の心拍出量は非妊娠時と同程度に低下する。 エ:妊娠中は蛋白結合型の薬物が増加する。 オ:妊娠中の膠質浸透圧は約5mmHg低下する。 |
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[解説] ア:×:妊娠中は、血漿アルブミン濃度は低下する。アルブミンの低下に伴って、蛋白と結合しない非結合型の薬物が増加する。
イ:○:妊娠中は胆汁が胆嚢に停滞する時間が長くなり、胆石を形成しやすくなる。
ウ:×:分娩活動中の心拍出量は2倍となり、分娩直後に最大となる。この心拍出量の増加は、主に子宮収縮によって子宮血流が体循環に移動することによって生じ、胎盤娩出後に特に顕著となる。
エ:×:妊娠中は蛋白非結合型の薬物が増加する。(上述)
オ:○:総蛋白量の減少に伴って母体の膠質浸透圧も約5mmHg低下する。
[正解] 解説を参照 [出典] 麻酔科シークレット第2版 p412-419
■ Top 100 Secrets ■ A conscientious approach to positioning is required to facilitate the surgical procedure,prevent physiologic embarrassment,and prevent neuropathy and injury to other aspects of the patient's anatomy. |
[Words & Phrases]
[出典]Anesthesia Secrets 3rd Edition
【問題2】(代謝・内分泌) 代謝性アシドーシスの代償作用として認められる呼吸はどれか? | 1) 中枢性過換気 3) 持続性吸息呼吸 5) 失調性呼吸 | 2) Kussumaulの大呼吸 4) 群発呼吸 |
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[解説] Kussumaulの大呼吸は、代謝性アシドーシスの代償作用として認められる呼吸であり、糖尿病性ケトアシドーシスや尿毒症、アルコール性ケトアシドーシスなどで認められる。Cheyne-Stokes 呼吸=両側大脳皮質下および間脳の障害、中枢性神経因性過換気=中脳下部より橋上部の障害、持続性吸息性呼吸=橋中部から下部の障害、群発呼吸=橋下部から延髄上部、失調性呼吸=延髄の障害で起こる。
[正解] 2 [出典]
【問題3】(脳神経外科の麻酔) 脳血流量[(ア)−(エ)]とそれに対応する状態(a−d)を、適当に組み合わせよ。 | ア: 8ml/100g/min a.脳壊死 イ:10ml/100g/min b.ハロタン麻酔下で虚血性脳波変化出現 ウ:20ml/100g/min c.イソフルラン麻酔下で虚血性脳波変化出現 エ:50ml/100g/min d.正常脳血流量 |
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[解説] 灰白質の脳血流量は80ml/100g/min、白質の脳血流量は20ml/100g/minであり、脳全体で平均すると50ml/100g/minとなる。脳血流量は心拍出量の約15%を占める。
[正解] ア:a イ:c ウ:b エ:d [出典] 麻酔科クリニカル問題集
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