麻酔導入に際しての静脈内プロポフォールと吸入セボフルランの循環動態安定性、患者の受容性、費用:前向き無作為化比較研究

・血行動態の安定性に対する麻酔薬の効果は、血行動態が低下している患者にとって最も重要である。セボフルランとプロポフォールの比較研究が報告されているが、これらのほとんどは維持と術後早期の回復を評価することを目的としている。これら 2 つの薬剤で発生する循環動態変化に関する研究はほとんどない。本研究では、麻酔導入に際しての循環動態安定性、患者の受容性、静脈内(IV)プロポフォールと吸入(IH)セボフルランの費用を比較している。

医療費.png・本前向き無作為比較試験は、待機的外科手術に対して全身麻酔(GA)が必要であった ASA 分類 I の 80 人の患者を対象に行われた。研究は施設倫理委員会によって承認され、ヘルシンキ宣言および適正臨床実践(GCP)ガイドラインの原則に従って実施された。登録患者は、静脈内(IV)プロポフォール 2 mg/kg(n=40)か、またはセボフルランによる漸増的吸入(IH)導入(n=40)を受けるように無作為化された。全患者は、67% 亜酸素化窒素(N2O)と O2 に 2% セボフルランで維持された。脈拍数や平均動脈圧(MAP)などの循環動態パラメーターは、5 分まで毎分モニターされた。患者受容性は 10 項目からなるアンケートで評価され、麻酔費用は麻酔薬必要量に基づいて評価された。循環動態パラメーターは、二元配置反復測定分散分析を使用して 2 群間で比較された。低血圧の発生率は、フィッシャー検定を使用して比較された。

・2 群は、人口統計学および他のベースライン特性に関して、ベースラインで同様であった。セボフルラン(14.61%)と比較して、プロポフォール導入(28.48%)の方が MAP 低下が大きかった(p<0.05)。プロボフォール(5.28)と比較して、セボフルラン(9.18)導入の方が、脈拍数の有意な減少(p<0.05)が観察された。両薬剤の患者受容性は同様であった(p>0.05)。セボフルランは不快であったが、プロポフォール注射は痛みがあった。再度の麻酔に際しては、プロポフォール群の患者の 90% はプロポフォールを、セボフルラン患者では 85% がセボフルランを好んだ。麻酔薬消費量と単価を考慮すると、プロポフォールはセボフルランと比較してより高価であった。

セボフルランはプロポフォールと比較して血行動態の安定性を維持し、両薬剤の患者受容性は同様であった。セボフルランによる導入は、プロポフォールによる導入と比較して安価であることが分かった。

プロポフォールの方が快適だが、導入時の血行動態変動は大きいし、高価だ。残った薬液を捨てないといけない点が、セボフルランよりも無駄が多い。

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