■ 臨床麻酔とクリティカルケアのMCQ問題 ■ 2020/05/22


【問題1】(心臓・血管) wide QRS頻拍の鑑別で、房室解離を認めるのはどれか? | 1) 偽性心室頻拍 3) 逆行性房室回帰性頻拍 5) 脚ブロックを伴った上室性頻拍 | 2) 心室頻拍 4) 変行伝導を伴った上室性頻拍 |
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[解説] wide QRS頻拍の鑑別:(1)心室頻拍:房室解離、融合収縮を認めるのが特徴。(2)偽性心室頻拍:Δ波があり、RR間隔が不規則であるのが特徴。(3)逆行性房室回帰性頻拍:Δ波がある。(4)変行伝導を伴った上室性頻拍:多くは右脚ブロックである。(5)脚ブロックに加わった上室性頻拍
[正解] 2 [出典] 救急医療実践ハンドブックP72
【問題2】(心臓・血管) 陳旧性心筋梗塞とは、発症からどれくらい経過したものを言う? | 1) 2週間以降 4) 1年以降 | 2) 3ヶ月以降 5) 1ヶ月以降 | 3) 6ヶ月以降 |
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[解説] "心筋梗塞は発症からの時間の経過で治療法、重症度も異なるので、発症2週間以内を急性、1カ月以上経過したものを陳旧性とするのが一般的である。
[正解] 5 [出典]
【問題3】(肝・腎・消化管) 腹腔内出血の診断目的で腹腔穿刺を行った場合、不適当なのはどれか? | 1) 腸管を誤穿刺したら十分吸引 3) 血液が凝固すれば誤穿刺 5) 吸引してみる | 2) 非凝固性血液が流出すれば陽性 4) 検査で損傷臓器の診断も可能 |
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[解説] 胃管、膀胱カテーテルを留置し、胃と膀胱を空虚にしておく。患者を水平仰臥位とし、手術瘢痕部を避けて穿刺部位を決定、広く十分に消毒を行い、清潔布で覆う。局麻を行いテフロン針をpen-holdingし、腹壁に直角にゆっくり刺入する。腹膜を穿通時に少し抵抗を感じるが、腹腔内に達すると抵抗がなくなるので、内筒を抜き腹水の流出を待つ。流出腹水かの生化学的検査結果から損傷臓器を推定できる。腸管穿刺時は、あわてて針を抜かずに腸液やガスを十分吸引し内圧を下げて針を抜けば合併症の発生は少ない。腹腔内出血の血液は通常凝固しないが、誤穿刺の場合の血液は凝固するので鑑別できる。
[正解] 5 [出典] 研修医ノートP566
【問題4】(カテコラミン) 次のうち誤っているのはどれか。 | ア:洞房結節の slow depolarization はK+の細胞内流入により起こる。 イ:reentry とは刺激が一度通過した後に再び心臓の一部を興奮させる現象である。 ウ:心房や心室を構成する心筋細胞の静止膜電位は−90mVである。 エ:心筋の酸素消費量は8〜9ml/100g心筋組織/分である。 オ:心筋の消費するエネルギー基質の60%は脂肪酸である。 |
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[解説] 洞房結節の緩徐拡張期脱分極(slow depolarization)はCaイオンの細胞内流入により起こる。reentry とは刺激が一度通過した後に再び心臓の一部を興奮させる現象である。心房や心筋を構成する心筋細胞の静止膜電位=-90mV、活動電位を起こす閾値=-70mVである。洞結節や房室結節の静止膜電位=-65mV、閾値=-40mVである。心筋の酸素消費量は8〜9ml/100g心筋組織/分である。非虚血心筋の消費するエネルギー基質の60%は脂肪酸、30%ブドウ糖、10%乳酸で、虚血時にはブドウ糖の比率は60%に高まる。
[正解] (ア) [出典] 第28回麻酔指導医認定筆記試験:A7
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この記事へのコメント
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>問題3が白紙になっています。
ご指摘ありがとうございます。修正いたしました。