■ 臨床麻酔とクリティカルケアのMCQ問題 ■ 2020/05/27

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【問題1】(心臓・血管) 人工心肺について正しいのはどれか?

ア:血液成分の損傷を少なくするためには気泡型人工肺が望ましい。

イ:人工心肺前には最低ヘパリンを3mg/kg投与する。

ウ:中等度低体温とは、26〜31度である。

エ:人工心肺回路の充填には通常1.5-2.5Lの晶質液や晶質-膠質液が使用される。

オ:プロタミン・ヘパリン複合体は網内系に取り込まれて排泄される。


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[解説] ア:×:微小空気塞栓の危険性や血液成分の損傷を少なくするためには膜型人工肺が望ましい。
イ:○:人工心肺前には最低ヘパリンを3mg/kg投与する。添付文書によると1500-300単位/kg。
ウ:○:中等度低体温とは26-31度である。高度低体温とは20〜25度、軽度低体温とは32-35度、超低体温とは15-19度である。
エ:○:人工心肺回路の充填には通常1.5-2.5Lの晶質液や晶質-膠質液が使用される。充填液はCPB開始時に患者血液が回路内を循環して動脈を灌流するまでに必要とされる液体である。
オ:○:プロタミンは正の電荷を持つタンパク分子であり、負の電荷を持つヘパリンと結合して複合体となり網内系に取り込まれて排泄される。



[正解] 解説を参照 [出典] 麻酔科シークレット第2版 p497-502



【問題2】(麻酔薬) 局所麻酔薬について正しいのはどれか?

ア:テトラカインはアミド型局所麻酔薬である。

イ:局所麻酔薬のpKaが組織pHに近いほど、作用発現が速くなる。

ウ:リドカインの極量は5mg/kgである。

エ:ブピバカインによって引き起こされた循環虚脱からの心蘇生は非常に困難である。

オ:腕神経叢ブロックは仙骨ブロックよりも局所麻酔薬の血中濃度が上がりやすい。


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[解説] ア:×:テトラカインはエステル型局所麻酔薬である。他のエステル型局所麻酔薬には、プロカイン、クロロプロカイン、コカインがある。
イ:○:局所麻酔薬のpKaが組織pHに近いほど、作用発現が速くなる。
ウ:○:リドカインの極量は5mg/kgである。アドレナリンを添加したリドカインの極量は7mg/kgである。
エ:○:ブピバカインによって引き起こされた循環虚脱からの心蘇生は非常に困難である。これはブピバカインの脂溶性が高く、心臓のNa+チャンネルからの流出が遅いことが関係している(fast-in、slow-out)。
オ:×:仙骨ブロックは腕神経叢ブロックよりも局所麻酔薬の血中濃度が上がりやすい。肋間神経>仙骨>硬膜外>腕神経叢>大腿・坐骨>皮下組織の順である。



[正解] 解説を参照 [出典] 麻酔科シークレット第2版 p95-100




【問題3】(心臓・血管) (  )の解離性大動脈瘤では、破裂による大出血をきたしうる。
1) DeBakey III 型
3) Stanford B型
5) すべての部位
2) Stanford A型
4) DeBakey I 型


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[解説] 解離性大動脈瘤:大動脈中膜の変性(動脈硬化)、嚢胞状中膜壊死(Marfan症侯群)により中膜が内外2層に解離した状態であり、50〜70歳の男性に好発する。突然死をきたすためその診断と処置は緊急を要し、診断がつき次第その病型にかかわらず降圧療法を行いつつ手術のできる施設に収容せねばならない。
■突然死をきたす病態:(1)破裂による大出血 (2)心タンポナーデ (3)急性心筋梗塞 (4)大動脈弁閉鎖不全 (1)はすべての部位の解離性大動脈瘤に起こり得る。(2)〜(4)は上行大動脈に解離がある場合(StanfordA型)に合併し得る。



[正解] 5 [出典] クリティカル記憶術2P328



【問題4】(心臓・血管) βブロッカについて正しいのはどれか?

ア:エスモロールはランジオロールよりも、循環動態のより注意深い観察が必要である。

イ:高リスク患者の周術期にβ1 遮断薬を投与すると、予後が改善する可能性がある。

ウ:エスモロールは肝臓ではカルボキシエステラーゼで分解される。

エ:エスモロールは血球中のエステラーゼで加水分解される。

オ:ランジオロールは肝臓でも代謝を受けるため、肝疾患患者では血中濃度が上昇する恐れがある。


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[解説] ア○:エスモロールはランジオロールよりも血圧低下作用が強く、その発現時間も遅いので、循環動態のより注意深い観察が必要である。循環動態の不安定な患者には、エスモロールよりもランジオロールのほうが安全に使用できる。
イ○:高リスク患者の周術期にβ1 遮断薬を投与すると、予後が改善する可能性がある。
ウ×:エスモロールは肝臓では代謝を受けない。これに対し、ランジオロールは肝臓と血漿中で代謝を受ける。
エ○:エスモロールは血球中のエステラーゼで加水分解される。
オ○:ランジオロールは肝臓でも代謝を受けるため、肝疾患患者では血中濃度が上昇する恐れがある。



[正解] 解説を参照 [出典] Anesthesia 21 Century Vol.10 No.2-31 2008

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