小児麻酔における静脈内導入と吸入導入における呼吸器および循環動態周術期有害事象:系統的レビューとメタ分析

・2020 年 2 月 12 日まで、PubMed、Embase、Medline を検索した。無作為化比較試験が含まれた。質の評価は、「無作為化比較試験のためのコクランリスクバイアスツール」の修正版を使用して実施された。
・1,602 件の該当出版物のうち、4 件が最終レビューに含まれた。2 件の研究では、周術期の呼吸器または血行動態の有害事象に有意差は見られなかった。2 件の研究では、相対リスクが 1.64〜3.83 の範囲で変化し、吸入では静脈内導入に比べて周術期の呼吸器系有害事象のリスクが高いことが分かった。データは不均一であり、プールされた推定値は信頼できない可能性がある。今回の系統的レビューとメタ分析は、吸入と静脈麻酔導入時の周術期呼吸器有害事象の発生に有意差がないことを明らかにした。特に呼吸器系有害事象の複数の危険因子をもつ小児では、吸入導入中および後にさらに多くの呼吸器系有害事象が見られた。これは有意性に達しなかった。
・今後の研究では、吸入麻酔と静脈麻酔による導入を、呼吸器系および血行動態の有害事象を主要評価項目として比較し、評価項目に対して適切に盲式化された評価者を伴う大規模な無作為化比較試験が含まれるべきである。
ひこ
静脈麻酔薬が血管痛があるのと同様に、やはり、吸入麻酔薬は、呼吸器系に対して少なからず刺激性があるため、呼吸器系合併症は多くなる可能性があるのだろう。
【出典】
Respiratory and haemodynamic perioperative adverse events in intravenous versus inhalational induction in paediatric anaesthesia: a systematic review and meta-analysis.
Paediatr Anaesth. 2020 May 1. doi: 10.1111/pan.13904. [Epub ahead of print]
Respiratory and haemodynamic perioperative adverse events in intravenous versus inhalational induction in paediatric anaesthesia: a systematic review and meta-analysis.
Paediatr Anaesth. 2020 May 1. doi: 10.1111/pan.13904. [Epub ahead of print]
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