■ 臨床麻酔とクリティカルケアのMCQ問題 ■ 2020/05/28

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【問題1】(心臓・血管) 超音波診断装置について正しいのはどれか。

ア:レンズ効果は、超音波ビームの屈折により、実際の位置と異なったり、あるいは二重に見える現象である。

イ:電子セクタ走査方式は、接触面が小さいため検索性が高く、浅部の視野は狭いが深部での視野が広く得られる。

ウ:縦波は生体軟部組織中はほとんど伝搬しない。

エ:人間の可聴領域は、20〜20000Hzである。

オ:タドポールテールサインは、屈折により起こるアーチファクトである。


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[解説] ○:屈折により起こるアーチファクトには、レンズ効果と外側陰影がある。レンズ効果は、超音波ビームの屈折により、実際の位置と異なったり、あるいは二重に見える現象である。腹部では、腹直筋がレンズの働きをして大動脈などが二つに見えることがある。
○:電子セクタ走査方式は、接触面が小さいため検索性が高く、浅部の視野は狭いが深部での視野が広く得られるので、肋間走査が主となる心臓検査に最も適している。
×:横波は生体軟部組織中はほとんど伝搬しない。
○:人間の可聴領域は、20〜20000Hzである。
×:減衰により起こるアーチファクトには、タドポールテールサイン(tadpole-tail sign) と音響陰影がある。タドポールテールサインとは、超音波透過性の良い組織は減衰が少ないために後方に多くの超音波が透過し、後方のエコー輝度が周囲と比べ増強し、おたまじゃくしの尾状に描出される現象である。



[正解] ア、イ、エ [出典]





【問題2】(肝・腎・消化管) 閉塞性黄疸に対する減黄処置(PTCD)は総ビリルビン値がどれくらい以上で行うべきか?
1) 5mg/dl
4) 3mg/dl
2) 10mg/dl
5) 20mg/dl
3) 15mg/dl


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[解説] 黄疸が高度になると、循環系が不安定になりやすく、心機能も抑制されるし(jaundiced heart)、腎機能にも悪影響を与え、さらに貪食細胞や細網内皮系をも抑制し、重症感染症にかかりやすくなり、その結果としての内因性のendotoxemiaがまた悪影響を与える。黄疸診療の第1歩は、外科的(=閉塞性)か内科的(=肝細胞性あるいは溶血性)かを超音波検査、肝機能検査、腹部理学所見から鑑別することである。黄疸が閉塞性のものであることが判明したらPTCDやERBD(endoscopic retrograde bile drainage)、外胆嚢瘻などにより減黄を開始する。減黄が必要な黄疸の程度は総ビリルビンで15mg/dl程度とされる。


[正解] 3 [出典] 緊急処置マニュアルP243



【問題3】(血管拡張薬) 次のうち正しいのはどれか。

ア:ニトロプルシドは、代謝の過程でシアンメトヘモグロビンを産生する。

イ:ニトログリセリンの代謝はグルタチオン依存性である。

ウ:トリメタファンはチトクロームP-450により代謝される。

エ:プロスタグランジンE1は肝臓で90%以上代謝される。

オ:ATPの分解産物であるAMPも末梢血管を拡張させる。


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[解説] ニトロプルシドは、代謝の過程でシアンメトヘモグロビンを産生する。ニトログリセリンは肝臓において硝酸塩還元酵素により還元されて、亜硝酸塩となるが、このはんのうはグルタチオン依存性である。トリメタファンは血漿コリンエステラーゼにより分解される。プロスタグランジンE1は肺で90%以上が不活化される。ATP製剤は体内ですぐ分解され、AMP、アデノシンになるが、これら分解産物も程度の差はあるが、ATP製剤同様末梢血管拡張作用がある。


[正解] (ア)、(イ)、(オ) [出典] 第28回麻酔指導医認定筆記試験:A3



【問題4】(呼吸器能) 次のうち正しいのはどれか。

ア:喫煙者は非喫煙者に比べ術後の肺合併症が6倍多い。

イ:慢性肺疾患をもつ症例では、健常人と比較して術後の肺合併症が20倍多い。

ウ:12〜24時間の禁煙で一酸化炭素Hbとニコチンが減少し心血管系に有利である。

エ:3〜5日の禁煙で喀痰が減少する。

オ:上腹部手術では肺活量が75%減少する。


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[解説] 喫煙者は非喫煙者に比べ術後の肺合併症が6倍多い。慢性肺疾患をもつ症例では、健常人と比較して術後の肺合併症が20倍多い。12〜24時間の禁煙で一酸化炭素Hbとニコチンが減少し心血管系に有利である。1〜2週間の禁煙で喀痰が減少する。上腹部手術では肺活量が75%減少し、回復には数週間を要する。特に肋骨弓にかける創外鉤による牽引は術中ばかりでなく、痛みと横隔膜損傷のために術後の呼吸抑制の原因となる。


[正解] (ア)、(イ)、(ウ)、(オ) [出典] LiSA Vol3-No1-p43(1996)

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