高齢の股関節骨折患者における術後早期の主要な心臓イベントと院内死亡率の予測:心エコー検査報告書における術前のいろいろな心臓異常の役割

経胸壁心エコー.png・経胸壁心エコー検査(TTE)は、股関節骨折術前のよく行われる心臓スクリーニング検査である。ただし、全般的な TTE 検査では手術が遅れるため、心臓の異常を具体的に評価するだけで TTE を簡略化することができれば意味があるだろう。そこで、高齢股関節骨折患者で、術後心臓合併症における各主要心臓異常の予測値と死亡率を比較することにより、最も臨床的に意義のある異常を確立することを目指した。

・2014 年 1 月から 2019 年 1 月まで、股関節骨折のある手術的に治療された全高齢患者(年齢>65 歳)の診療録が分析された。主要な TTE 異常は、左心室肥大、収縮期肺動脈圧>25 mm Hg、中等度〜重度の弁異常、左心室駆出率(LVEF)<50%、心嚢液と定義された。評価項目は、術後心臓合併症と院内死亡率であった。

・最終的に関与した患者は 354 人であった。術後心臓合併症は患者の 7.6%(n=27)で発生した。死亡率は 2.8%(n=10)であった。冠動脈疾患(CAD)の病歴(OR:3.281、95%CI:1.332? 8.079、p=0.010)と大動脈弁狭窄症(AS)の存在(OR:5.656、95%CI:1.869? 17.117、p=0.002)は、術後心臓合併症の独立予測因子であった。さらに、年齢(OR:1.264、95%CI:1.047? 1.527、p=0.015)、CAD の既往(OR:19.290、95%CI:2.002? 185.885、p=0.010)、AS の存在(OR:7.164)、95%CI:1.988? 51.413、p=0.040)、LVEF<50%(OR:8.803、95%CI:1.115? 69.472、p=0.039)は、死亡率の独立予測因子であった。ただし、他の術前 TTE 異常は、術後の心臓合併症や死亡率とは関連していなかった。

・高齢股関節骨折患者が示す TTE 異常の中で、中等度から重度の AS が術後心合併症の予測因子であった。さらに、中等度から重度の AS と LVEF<50% が院内死亡率の予測因子であった。したがって、焦点を当てた心エコー検査で、具体的には、大動脈弁と LVEF を評価することにより、TTE プロセスを簡略化でき、手術の遅延を回避できる。

術前スクリーニングとしての胸壁心エコーでは、大動脈弁の状態と LVEF を重点的に評価できればそれで十分意味があると。

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