年齢 80歳以上の患者におけるロクロニウム 0.6 mg/kgの効果発現時間と作用持続時間:若年成人との比較

ロクロニウム.png・高齢者数は増加しており、これらの人々の大部分は手術と麻酔を必要とする。ただし、年齢 80 歳以上の患者のロクロニウムに関するデータはほとんどない。この研究の目的は、若年成人と比較して、年齢 80 歳超の患者におけるロクロニウム 0.6 mg/kg の効果発現時間と作用持続時間を調査することであった。

・本前向き観察研究には、静脈内麻酔を予定している 16 人の若い患者(年齢 18〜40 歳)と 16 人の高齢者(年齢>80 歳)が含まれた。ロクロニウム 0.6 mg/kg 投与後の筋弛緩は、TOF 刺激を使用した加速度筋電図でモニターされた。主要評価項目は効果発現時間であった(ロクロニウムの投与から TOF カウント= 0 まで)。副次評価項目は、作用持続時間(投与から TOF 比>0.9 まで)および挿管困難度スコアによる挿管条件であった。

・年齢の中央値 84 歳の高齢患者は、若い患者に比べて効果発現時間を有意に延長した。それぞれ中央値 135 秒(135-158) vs 90 秒(90-105)、平均差 82 秒(40-124)、Wilcoxon Mann-Whiteney オッズ(WMW)19.48(7.48-X)であった。高齢患者の作用持続時間は有意に長く、中央値はそれぞれ 81 分(71-97)vs 53 分(42-73)、平均差 31 分(14-48)、WMW オッズは 6.35(2.59-X)であった。挿管条件に有意差はなかった。

年齢 80 歳を超える患者は、年齢 18 歳から 40 歳の患者と比較して、ロクロニウム 0.6 mg/kg 投与後の効果発現時間と作用持続時間が有意に延長した。

ロクロニウムの効果発現時間の遅延は、心拍出量の低下により、作用持続時間の延長は肝腎代謝機能低下によるものだろう。高齢者では挿管時の筋弛緩は十分時間を取り、追加投与量は少なめにしなくてはならない。

【出典】
Onset Time and Duration of Action of Rocuronium 0.6 Mg/Kg in Patients Above 80 Years of Age: A Comparison With Young Adults
Acta Anaesthesiol Scand . 2020 May 27. doi: 10.1111/aas.13645. Online ahead of print.

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