全身麻酔を受ける小児の誤嚥に対する清澄水絶飲の影響:ドイツの前向き多施設観察(NiKs)研究の結果

術前の引水.png・3324 人の小児を含む実際の絶飲時間についての予備的全国集計では、清澄液と軽食の空腹時間が現在のガイドラインで推奨されているよりも短いことが多いが、サブ群分析には被験者数が少なすぎることが示された。そこで、より多くの参加施設とより大きな被験者数による本拡大研究の主な目的は、清澄液または軽食の空腹時間の短縮が、小児の全身麻酔時の逆流や誤嚥の発生に影響を与えるかどうかを調査することであった。第二の目的は、年齢、重大インシデント、ASA 分類、麻酔導入法、気道管理、術式の影響を評価することであった。

・倫理委員会の承認後、合計で少なくとも 1 万人以上の小児がこの分析に登録される予定であった。患者の人口統計、実際の絶飲時間、麻酔と術式、逆流または誤嚥と定義された標的有害事象の発生は、標準化症例報告フォームを使用して記録した。

・15 の小児施設で、手術または介入処置が予定されている 12093 人の小児が 2018 年 10 月から 2019 年 12 月までに含まれた。絶食時間は、現在のガイドラインで推奨されている時間よりも、通常食で 2.5%、軽食で 22.4%、人工乳で 5.3%、母乳で 10.9%、清澄液は 39.2% で短かった。逆流の 31 例(0.26%)、誤嚥の疑いの 10 例(0.08%)、確認された誤嚥の 4 例(0.03%)が報告され、それらのすべては何の影響もなく迅速に回復した。清澄液の絶食時間を 2 時間から 1 時間に短縮しても、有害事象の発生率に影響はなかった(上限 95%CI 0.08%)。6 時間未満の軽食の絶食時間を含むコホートの被験者数は、サブ群分析には小さすぎた。年齢 1〜3 歳(オッズ比2.7,95%CI 1.3〜5.8%、P<0.01)、緊急処置(オッズ比 2.8 95%CI 1.4〜5.7、P<0.01)では、有害事象の発生率が増加した一方で、ASA 分類、麻酔導入方法、術式は影響を与えなかった。清澄水の絶飲時間は、6/4/1 および 6/4/2 の絶食レジメンと比較して6/4/0 で最短で、すべて有害事象の発生率は 0.3% であった。

・本研究は、清澄水絶飲時間を、2 時間から 1 時間に短縮しても、逆流や誤嚥の発生に影響を与えないこと、年齢 1〜3 歳の年齢および緊急処置の場合には、逆流や肺誤嚥の発生を増加させることを示している。術後の呼吸困難が続く誤嚥はまれであり、通常迅速な回復を示す。

小児の清澄液の絶飲時間は 1 時間に短縮してもよさそうだ。

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この記事へのコメント

silkhat
2020年07月26日 14:09
平素より勉強させて頂いております。
最近はNPOもかなり緩い方向に進んでいるみたいですね。私も子供の水分は1時間でokとしてます。
5年ほど前に0時間(制限不要)なんて論文もありましたね(Paediatr Anaesth. 2015 ;25:770-7.)3件目のオンコール手術なんていうと、1件目2件目が下手で遅くなると、それだけ脱水の時間も伸びますし、これくらい緩いと楽だなぁ、なんて個人的には思っちゃいますね。
SRHAD-KNIGHT
2020年07月26日 16:38


silkhatさん、コメントをありがとうございます。
>最近はNPOもかなり緩い方向に進んでいるみたいですね。私も子供の水分は1時間でokとしてます。
さすが!先進的ですね。当院でもそのようにしたいと思います。
>5年ほど前に0時間(制限不要)なんて論文もありましたね(Paediatr Anaesth. 2015 ;25:770-7.)3件目のオンコール手術なんていうと、1件目2件目が下手で遅くなると、それだけ脱水の時間も伸びますし、これくらい緩いと楽だなぁ、なんて個人的には思っちゃいますね。
ほうとうにそうですね、「夏休みこども大会」ではまとめて何症例もやりますからね・・・。