開腹腹部大動脈瘤修復術の施設的記憶の低下

腹部大動脈瘤修復.png・血管内大動脈瘤修復(EVAR)は導入以来、腹部大動脈瘤の治療の主力となっており、開腹動脈瘤修復術は衰退している。本研究の目的は、開腹動脈瘤修復術の頻度減少が周術期の効率の低下と術後合併症の増加につながったかどうかを調査することである。

・後ろ向きコホート研究で、オタワ病院(TOH)で、2014-2017 年にに実施された連続 49 症例の傍腎動脈瘤(<1cm 頸)と対照群としての連続 53 症例の傍腎動脈瘤(2005-2007)に対する開腹動脈瘤修復術の周術期データと合併症を比較した。この 10 年間の比較では、外科医に変化はなかった。

・TOH では、調査した 2 つの期間中に開腹動脈瘤修復術の回数が 61% 減少した。2005 年から 2007 年の間に 541 件の腹部大動脈の開腹修復術と 86 件の EVAR が実施され、2014 年から 2017 年の間に 358 件の開腹腹部大動脈瘤修復術と 385 件の EVAR が実施された。被検者の年齢は、2014-2017 群で有意に低下し(p=0.01)、開腹傍腎動脈瘤修復術を受けた女性の患者数も減少した(p=0.05)。手術時間は一貫していたが(p=0.13)、総手術時間と麻酔時間は 2014-2017 群の方が長かった(p=0.02、p=0.01)。術中の腎上クランプ時間と出血量は、2014-2017 群で減少した(p<0.01、p<0.01)。ICU と総入院期間は群間で有意差はなかったが(p=0.77、p=0.87)、2014-2017 群では大きな標準偏差が観察された。同様に、2014〜2017 年群の患者の 18.4% は、Clavien Dindo Grade IIIa 以上の術後合併症をきたした。これに対し、歴史的対照群の患者では 11.3% の患者であった(p=0.07)。死亡率も 2014-2017 群で増加傾向にあった(p=0.43)。

・TOH での OAR パフォーマンスの低下率は、EVAR への世界的な傾向を反映している。過去 10 年間に専門知識が失われた可能性があることを反映して、麻酔および手術時間は調査した期間にわたって増加した。解剖学的類似患者では、この期間に合併症も増加した。総合すると、これらの調査結果は、開腹動脈瘤修理術および術後ケアへの施設としての馴染みが減少していることを反映するかもしれない。

開腹での Y グラフト置換術は、激減したな〜。確かに、mだんだんと経験値も下がってきたかも。

【出典】
Declining Institutional Memory of Open Abdominal Aortic Aneurysm Repair
J Vasc Surg . 2020 Jul 23;S0741-5214(20)31697-9. doi: 10.1016/j.jvs.2020.06.125. Online ahead of print.

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