■ 臨床麻酔とクリティカルケアのMCQ問題 ■ 2020/07/29

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【問題1】(血液凝固) 血液凝固について正しいのはどれか。

ア:体外循環では、凝固因子の V 、 VIII およびフィブリノーゲンが欠乏しやすい。

イ:体外循環中、活性化凝固時間の短縮がアンチトロンビン III 減少によると考えられたときは、ヘパリンを増量する。

ウ:過量のプロタミンによる凝固時間の延長と、残存ヘパリンによるそれとを区別するには、トロンビン時間を測定すればよい。

エ:一次線維素溶解では、血中にフィブリノリジンが存在する。

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[解説] 体外循環では、線維素溶解、第 V ・ VIII 因子・フィブリノゲン・プラスミノゲン・血小板数の減少、血小板機能低下、補体活性化が認められる。体外循環中、ACT(≧4000秒に維持)の短縮ががAT III 減少によると考えられる場合、成人では2単位の新鮮凍結血漿投与で容易にAT III 活性は回復する。過量のプロタミン(ヘパリンの約1/100の抗凝固作用)による凝固時間の延長と、残存ヘパリンによるそれとを区別するには、トロンビン時間(ヘパリン残存では延長)を測定すればよい。一次線維素溶解とは、先行する血栓形成がないのに、組織プラスミノゲンアクチベータが血中へ流入し、プラスミノゲンをプラスミン(フィブリノリジン)へ活性化し、線維素溶解を起こすものである。


[正解] (ア)、(ウ)、(エ) [出典] 第29回麻酔指導医認定筆記試験:A13




【問題2】(麻酔薬) 次の静脈麻酔薬のうち、もっとも心筋抑制作用の強いものはどれか?
1) エトミデート
3) ミダゾラム
5) ケタミン
2) チオペンタール
4) プロポフォール


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[解説] プロポフォールによる心臓手術患者の麻酔導入で著明な低血圧が生じることや、一般手術患者ではその低血圧は投与速度依存性であるとこれまでに報告されている。また従来、静脈麻酔剤による麻酔導入時に、血圧が低下する理由として、静脈麻酔剤の直接の陰性変力作用が挙げられてきたが、実際のヒト心筋で証明された訳ではなかった。遊離ヒト心房筋を用いたin vitroの実験では、プロポフォール、ミダゾラム、エトミデートは臨床使用濃度では収縮力の抑制はなく、一方チオペンタールは強い収縮抑制を、ケタミンは若干の収縮抑制を示した。麻酔導入時の血圧低下は、チオペンタールでは心筋抑制で説明できるが、他の麻酔薬では収縮抑制では説明できない。


[正解] 2 [出典] ANESTHESIA ANTENNA No19-p1、5



【問題3】(循環管理) 次のうち正しいのはどれか。

ア:熱希釈法による心拍出量測定の際、冷水注入を呼気終末時に一致して行うと、呼吸性の変動と血行動態の変動が区別しやすくなる。

イ:熱希釈法による心拍出量測定は、三尖弁閉鎖不全症、心房細動、心内シャントなどある場合には、誤差が大きくなる。

ウ:肺のコンプライアンスが大きいほど、PEEPをかけても肺動脈楔入圧の測定値への影響が少なくなる。

エ:熱希釈法による心拍出量測定に際して、冷水を10ml注入すべきところ8mlを注入した場合には、測定値は実際の値よりも小さい。

オ:僧帽弁閉鎖不全症で、v波増高がみられるときは、平均肺動脈楔入圧が最も左心室充満圧(LV fillng pressure)を反映する。


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[解説] 熱希釈法による心拍出量測定の際、冷水注入を呼気終末時に一致して行うと、呼吸性の変動と血行動態の変動が区別しやすくなる。熱希釈法による心拍出量測定は、三尖弁閉鎖不全症、心房細動、心内シャントなどある場合には、誤差が大きくなる。肺コンプライアンスが大きいほど、同じPEEPでも肺胞の膨らみが大きくなり、肺毛細血管の潰される程度が大きくなり、肺動脈楔入圧への影響が大きくなる。注入量が設定量より少ないと、曲線下面積は減少し、心拍出量は過大評価される。僧帽弁閉鎖不全症で大きいV波が見られるときの平均肺動脈楔入圧は人工的に高い左室充満圧を示す。


[正解] (ア)、(イ) [出典] 第27回麻酔指導医認定筆記試験:B22




【問題4】(心臓・血管) TTI(tension time index)とは次のうちどれで示されるか?
1) 収縮期圧×心拍数×駆出時間
3) 収縮期圧×心拍数×PCWP
5) 心拍数/収縮期血圧
2) 収縮期圧×心拍数
4) 平均収縮期圧×収縮期時間


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[解説] TTI(tension time index)とは平均収縮期圧×収縮期時間で示される心筋酸素需要の指標の一つである。ただし、カテコラミンやCa投与などで心筋収縮性が変化した場合には心筋酸素需要との関連性が失われる。RPP(rate pressure product)=収縮期圧×心拍数、Triple index=収縮期圧×心拍数×PCWP、Triple product=収縮期圧×心拍数×駆出時間はいずれも心筋酸素需要の指標である。Shock index=心拍数/収縮期血圧=出血量(リットル);出血性ショックの場合の予測出血量の指標


[正解] 4 [出典] CCUハンドブックP37

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