脊椎麻酔後のデキスメデトミジン鎮静の用量比較:妊婦 vs 非妊婦-無作為化試験

妊婦10.png・本研究は、帝王切開(CS)を受けた分娩患者と待機的婦人科手術を受けた非妊娠女性における鎮静用のデキスメデトミジンの有効量を調査および比較するために計画された。

・本研究は、年齢 25 歳から 35 歳までの 60 人の女性を対象とし、2 群に分けられた。妊婦群は、胎児と胎盤の娩出後、15 分かけてボーラス投与のデキスメデトミジンを投与された。非妊娠女性群では、脊椎麻酔の完了時にデキスメデトミジンのボーラスが静脈内投与された。その後、各群の患者が必要とする後続の用量は、修正 2 段階ディクソン逐次上下法によって決定された。プロビット分析を使用して、適切な鎮静のためのデキスメデトミジンの ED50 と ED95 を計算した。

妊婦患者における適切な鎮静のためのデキスメデトミジンの ED50 は 1.58μg/kg(1.51〜1.66μg/kg)であった。非妊娠女性では、0.96μg/kg(0.91〜1.01μg/kg)(95%CI)であった。妊婦群ののデキスメデトミジンの ED95 は 1.80μg/kg(1.70〜2.16)μg/kg であり、非妊娠女性の ED95 は 1.10μg/kg(1.04-1.30μg/kg)(95%CI)であった。妊婦の ED50 は非妊娠女性よりも有意に高かった(P<0.05)。

CS に際して脊椎麻酔を受けた妊婦患者における鎮静のためのデキスメデトミジンの ED50 は、下腹部婦人科手術のために脊椎麻酔を受けた非妊娠女性の 1.5 倍を超えている。本研究では、脊椎麻酔後の最適な鎮静を達成するために必要なデキスメデトミジンの用量は、妊婦では、婦人科手術を受ける非妊娠女性よりもはるかに多いと主張している。

妊娠によって疼痛閾値は上昇し、非妊娠時によりも鎮痛剤は少なくてすむので、同様に鎮静剤も少なくて済むのではないかと思ったが、逆か!

【出典】
Dose Comparison of Dexmedetomidine Sedation following Spinal Anesthesia: Parturient versus Nonpregnant Women-A Randomized Trial
Anesthesiol Res Pract . 2020 Jul 27;2020:1059807. doi: 10.1155/2020/1059807. eCollection 2020.

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この記事へのコメント

silkhat
2020年08月21日 08:03
お疲れ様です。原文にアクセスできなかったので麻酔薬の詳細は不明ですが、当方の経験ですとクモ膜下フェンタニルのせいか妊婦さんはDEX 1μg/kg行かない位のとこで殆どみんな寝ちゃってる気がしますね。非妊婦に脊麻鎮静ってのはあまり経験がないですが、その他の患者で考えると、妊婦が眠りにくいって印象は無いですね…。
SRHAD-KNIGHT
2020年08月23日 18:23
silkhatさん コメントありがとうございます。

帝王切開時と、他の下腹部手術で、クモ膜下投与の局所麻酔薬以外の補助薬が同じかどうか、その辺が抄録だけでは分かりませんが、おそらく、条件は同一にしてあるのでしはないでしょうか。

帝王切開分娩と、分娩ではない疾患に対する治療では、分娩後の新生児との対面の有無という点で、患者自身の心理面において大きな差があるのかもしれないな、とは思いました。