■ 臨床麻酔とクリティカルケアのMCQ問題 ■ 2020/09/15

MCQ15.png




【問題1】(老人麻酔) 加齢に伴うモルヒネの感受性の増加に関係ある因子として正しいのはどれか。
ア:体脂肪の減少
ウ:肝血流量の減少
オ:レセプタの増加
イ:血漿蛋白の減少
エ:肝ミクロゾーム活性の減少


    ▼

    ▼

    ▼

[解説] モルヒネの脂溶性は低いので、脂肪の増減はモルヒネ感受性に影響を与えない。また、加齢に伴い体脂肪割合は増加する。加齢に伴い血漿蛋白(モルヒネの35%が結合する)が減少すると、遊離モルヒネが増加し作用が増強される。肝実質及び肝血流量の減少で薬物代謝は減少する。肝の薬物代謝はphase I (酸化・還元・加水分解)とphase II (グルクロン酸抱合、アセチル化、硫酸化)に分類され、モルヒネはpahse II により不活性化される。加齢と共に疼痛感受性が低下する他、オピオイド受容体が減少する。


[正解] (イ)、(ウ)、(エ) [出典] 第30回麻酔指導医認定筆記試験:B17





【問題2】(呼吸) 筋弛緩薬の拮抗薬は自発1回換気量がいくら以上になったら行ってもよいか?
1) 3ml/kg
4) 10ml/kg
2) 5ml/kg
5) 1ml/kg
3) 7ml/kg


    ▼

    ▼

    ▼

[解説] 筋弛緩拮抗薬使用の条件:(1)自発呼吸が存在し、1回換気量が少なくとも3ml/kg位になるまでは、補助呼吸を行う。(参考)人工呼吸の適応基準として1回換気量<3ml/kgを挙げているテキストも多い。(2)アシドーシスなどがあれば、換気または、重曹などによって補正しておく。(3)筋弛緩のモニターが可能であればそれを用いて、ブロックの程度を確認する。単一刺激で50%以上になってから、拮抗するのが望ましい。


[正解] 1 [出典] 手術直後の患者管理P9



【問題3】(全身麻酔の実際) 輸液について正しい記述はどれか。

ア:サードスペースへの喪失を補うには細胞外液系輸液剤を用いる。

イ:高カロリー輸液を突然中止すると低血糖を起こす可能性がある。

ウ:維持輸液には低張液を用いる。

エ:乳酸リンゲル液の約50%は血管内にとどまり、残りは血管外細胞外液となる。

    ▼

    ▼

    ▼

[解説] サードスペースに失われる体液量は、手術部位や手術の程度に関係する。腹部の大手術の場合には10−20ml/kg/hrにも及ぶが、末梢手術では3−5ml/kg/hr程度である。高カロリー輸液をしていると、インスリン濃度が上昇しているので、高カロリー輸液を突然中止して糖の供給が途絶えると低血糖を起こす危険がある。高カロリー輸液を中止する場合には、徐々にその投与量を減らしてゆくか、代わりに比較的高濃度のブドウ糖液を投与する必要がある。維持輸液は、主として肺や皮膚から失われた不感蒸泄を補う。


[正解] (ア)、(イ)、(ウ) [出典] 麻酔科クリニカル問題集




【問題4】(溺水・中毒・体温) フグ中毒の初期症状としての「舌のしびれ」は食後どれくらいで起こってくるか?
1) 2〜3時間後
3) 1時間以内
5) 4〜5時間後
2) 食事中
4) 1〜2時間後


    ▼

    ▼

    ▼

[解説] 本邦の魚介類による中毒死のほとんどを占めているのはフグ中毒であり、初期症状としての「舌のしびれ」は2〜3時間後に表れてくる。これはテトロドトキシンの局所麻酔様作用のためである。後期症状としての呼吸停止は食後3〜4時間後に起こってくる。これはテトロドトキシンが神経・筋接合部を遮断して全身的な筋弛緩をもたらし、その部分現象として呼吸筋麻痺をきたすのである。呼吸器麻痺に対する治療の主流は人工呼吸であり最低10時間は続ける必要がある。


[正解] 1 [出典] 危機管理P100

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント