マイクロ波焼灼療法を受ける肝癌患者に対するプロポフォールと併用たフルルビプロフェンアキセチルの麻酔効果に関する無作為化対照研究

肝臓のマイクロ波焼灼.png・研究の目的は、マイクロ波焼灼療法を受ける肝癌患者に対するプロポフォールと併用したフルルビプロフェンアキセチルの麻酔効果を評価することであった。

・2018 年 5 月から 2019 年 5 月までに当院で肝癌のマイクロ波焼灼を受けた 60 人の患者(ASA グレード:I-II)が選択され、無作為に研究群と対照群(n=30)に分けられた;それぞれ、プロポフォールの目標制御注入法とフルルビプロフェンアキセチルの静脈内注入を併用した群、プロポフォール単独の目標制御注入法を行った群。2 群の平均動脈圧(MAP)、心拍数(HR)、血中酸素飽和度(SpO2)、数値評価スケール(NRS)スコア、副作用、麻酔効果(導入時間、回復時間)を、麻酔前(T0)、穿刺の開始時(T1)、マイクロ波焼灼術の開始時(T2)、マイクロ波焼灼術の終了時(T3)、手術後 1 時間(T4)に比較した。

研究群の MAP と HR は、T2 で対照群よりも高かった(P<0.05)。 2 群間でSpO2に差はなかった(P>0.05)。研究群の麻酔導入時間と回復時間は、対照群よりも有意に短かった(P<0.05)。NRS スコアは、T1で 2 群間に差はなかった(P>0.05)が、研究群では T2-T4(P<0.05)で低いスコアであった。術後副作用の発生率は、研究群で 13.33%、対照群で 46.67% で、有意差があった(P<0.05)。

マイクロ波焼灼を受ける肝癌患者において、プロルフォールに併用したフルルビプロフェンアキセチルは、明らかな麻酔効果を発揮する。術前の麻酔導入時間と術後の回復時間を有意に短縮でき、術中のバイタルサインを安定して維持できる。したがって、この方法は臨床的推奨に値する。

個人的には、フルルビプロフェンアキセチルを、麻酔導入時に抗生剤投与と同時投与している。麻酔効果があると感じたことはないが、炎症が起こる前に予防的に NSAID を投与するのはそれなりに意味があると思っている。

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この記事へのコメント

しゅうすけ
2020年09月29日 12:25
いつも興味深く拝見させていただいています。卒後15年目です。フルルビプロフェン予防投与、私も意味があると思っていますし、過去にはやっていました。が、切られませんか?患者さんの利益になると思えば、その額の持ち出しは個人的には気にならないのですが、病院によっては麻酔カートから削除されているくらいです。麻酔科のトップの意向によるのでしょうけれど。
SRHAD-KNIGHT
2020年09月29日 20:32
しゅうすけさん、コメントありがとうございます。
>フルルビプロフェン予防投与、私も意味があると思っていますし、過去にはやっていました。が、切られませんか?

幸いに、当院の場合は、これまで切られたことはありません。
>病院によっては麻酔カートから削除されているくらいです。麻酔科のトップの意向によるのでしょうけれど。

効能効果には、術後鎮痛があるので、麻酔科医が術後鎮痛の目的で、麻酔の一環として使用することのどこに異議を唱えているのか!?理解不能ですね。

麻酔薬および麻酔関連薬使用ガイドライン 第3版
Ⅱ 鎮痛薬・拮抗薬
フルルビプロフェンアキセチル の「(1) 用法 ・ 用量」の項には、
④手術後の疼痛管理に使用するときは,執刀前に投与する方が有効である
と記載されています。
何も知らない保険査定の委員に、この文書を提出して、「術中の使用は、日本麻酔科学会のガイドラインで認められている。」という点を、理解してもう必要がありそうですね。
しゅうすけ
2020年09月30日 17:26
お返事いただきましてありがとうございます。
私は今まで、東北地方、東京、中部地方で勤務経験がありますが、適応が「術後鎮痛」なので、術中投与は適応外投与と言われました。
臨床現場を知らない人間が監査しているため、「先行鎮痛の目的で使用する」といっても「それなら自前で(すなわち診療報酬を請求せずに病院もちで)行ってください」という見解のようです。
納得いきませんし、患者さんにメリットがあるのに使用できないのが、残念です。
SRHAD-KNIGHT
2020年10月01日 07:02
しゅうすけさん、再度のコメントありがとうございます。
>臨床現場を知らない人間が監査しているため、「先行鎮痛の目的で使用する」といっても「それなら自前で(すなわち診療報酬を請求せずに病院もちで)行ってください」という見解のようです。
>納得いきませんし、患者さんにメリットがあるのに使用できないのが、残念です。
「術後鎮痛は、術中からやらないと十分な鎮痛はできない」という簡単な事なのにね。頭の固いそういう方には、麻酔から覚めたとたんに激痛のをきたすような麻酔をしてあげましょう!
SRHAD-KNIGHT
2020年10月01日 07:13
しゅうすけさんへ、追加です。
従来、個人的には、使用した薬剤を切られたときは、その使用が臨床的に適切であることを示す文献を添えて、再審査請求を行うことにしています。そして、その後、同様の切られ方をしないことを経験しています。
一度、面倒であっても、学会のガイドラインの文献を添えて、再審査請求をしてみてください。よろしくお願いいたします。