非心臓手術後の術後ヘモグロビンと心筋傷害との関連:後ろ向きコホート分析

心臓不整脈21.png・非心臓手術後心筋傷害(MINS)は一般的で、ほとんどが無症状であり、術後死亡率の強力な予測因子である。MINS は、心筋の酸素需給ミスマッチに起因するようである。最近のデータは、術後のヘモグロビン濃度を低くする可能性のある周術期制限的輸血戦略を支持している。術後ヘモグロビン低値が心筋傷害に関連しているかどうかは不明のままである。そこで、著者らは、貧血は非心臓手術を受ける成人の心筋傷害のリスク増加と関連しているという仮説を検証した。

・著者らは、Cleverland Clinic での非心臓術後に定期的な術後トロポニンT(TnT)モニタリングを受けた年齢 45 歳以上の成人について後ろ向き分析を実施した(周術期虚血評価-2 試験[POISE-2]、大きな非心臓手術を受けたリスクのある患者の全身麻酔への亜酸素化窒素の添加の安全性[ENIGMA-II]、非心臓手術患者コホートの血管イベント評価研究[VISION]、大手術後の麻酔深度と合併症[BALANCED]試験に登録されたものを含む)の後ろ向き的分析を実施した。TnT がベースラインで増加している患者や、非虚血性病因で TnT が増加している患者は除外された。術後 3 日間の術後ヘモグロビン濃度と MINS の発生率(虚血に起因すると判断された第 4 世代 TnT≧0.03ng/ml)との関連は、時変共変量 Cox 比例ハザード生存分析を使用して評価された。

・6141 人の患者のうち、4480 人が分析された。MINS の発生率は155/4480(3.5%)であり、術後最低ヘモグロビン値>13 g/dl の患者の 0/345(0%)から、術後最低ヘモグロビン値<8 g/dl の患者の 52/611(8.5%)までの範囲であった。MINS をきたすための交絡因子調整ハザード比[95% 信頼区間]は、時変共変量分析で術後ヘモグロビンが 1g/dl 減少するごとに 1.29[1.16-1.42]であった。同様の関連性が感度分析で確認された。

術後ヘモグロビン値の低下は MINS に関連している。この関連性が貧血の予防または治療によって修正可能であるかどうかは、確定されていない。

心臓はもっとも酸素抽出率の高い臓器であるから、貧血によって最初に酸素不足に陥る臓器である。貧血が MINS を増加させるのはうなずける。

【出典】
Association between postoperative haemoglobin and myocardial injury after noncardiac surgery: a retrospective cohort analysis
Br J Anaesth . 2020 Oct 7;S0007-0912(20)30761-3. doi: 10.1016/j.bja.2020.08.056. Online ahead of print.

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント