■ 臨床麻酔とクリティカルケアのMCQ問題 ■ 2020/10/19

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【問題1】(心疾患患者への注意) 左室駆出率について正しい記述はどれか。

ア:左室駆出率が40%未満の場合の、1年生存率は70%である。

イ:左室駆出率は後負荷には影響されない。

ウ:冠動脈疾患患者の胸部X線写真で心胸郭比が50%以上なら、左室駆出率が40%未満である確率は70%より高い。

エ:僧帽弁逆流症で左室駆出率が正常なら、心機能は正常である。

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[解説] 左室駆出率は心収縮性の指標となるが、前負荷、後負荷の影響を受ける。後負荷が増加すると、左室駆出率は低下する。胸部X線写真上、心肥大があれば、左室駆出率の低下を疑う。左室駆出率が低いものほど、生存率も低下する。左室駆出率が40%未満の場合の、1年の死亡率は30%にものぼる。左室駆出率が低い場合、心筋梗塞などの心臓合併症を起こす率が高い。


[正解] (ア)、(ウ) [出典] 麻酔科クリニカル問題集



【問題2】(麻酔薬) プロポフォールで全身麻酔の維持を行う場合、67%笑気を併用するとプロポフォールのEC50は何%減少するか?
1) 25% 2) 10% 3) 5% 4) 40% 5) 60%

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[解説] 67%笑気は、EC50(手術刺激に対して50%の患者が反応しない血中濃度。吸入麻酔薬のMACに相当する概念である)を25%低下させる。したがって、笑気併用時はプロポフォール単独時に比べて投与速度を3/4に低下させてもよいということになる。


[正解] 1 [出典] プロポフォールQ&Ap26



【問題3】(心臓手術の麻酔) フェンタニールについて正しい記述はどれか。

ア:胸壁の硬直を起こし、換気困難となることがある。

イ:大量(50μg/kg)を投与すれば確実な健忘が得られる。

ウ:ベンゾジアゼピンと併用すると高度の低血圧を起こすことがある。

エ:ヒスタミンを遊離する。

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[解説] ヒスタミン遊離作用はない。大量投与しても健忘作用は確実ではない。ベンゾジアゼピン静注との併用で、高度の低血圧を起こすことがある。


[正解] (ア)、(ウ) [出典] 麻酔科クリニカル問題集



【問題4】(胸部手術の麻酔) 麻酔合併症として前脊椎動脈症侯群が発生した場合、考えられる原因はどれか。

ア:硬膜外麻酔による硬膜外血腫

イ:脊椎麻酔時の低血圧

ウ:脳脊髄圧の上昇

エ:下大静脈圧迫による静脈圧の上昇

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[解説] 脊髄前部は1本の前脊髄動脈によって血液供給を受けているので、後柱に比し虚血に陥りやすい。他方、脊髄の背側部は多数の後脊髄動脈により血液が供給されている。脊髄は、Adamkiewocz 動脈により血液供給されている胸腰部膨大部で最も易損性である。脊髄の前2/3の機能が失われ、運動、疼痛、温度覚はないが、固有感覚は温存されている。低血圧、完全閉塞なしの静脈うっ血、および手術操作を含む因子の組み合わせが素因となる。脳脊髄液圧は脊髄動脈の血管床における流出部の圧であり、髄液圧を下げることにより脊髄の灌流が増加する。腹腔内手術時、下大静脈圧迫による静脈うっ血に起因する静脈圧上昇は脊髄の静脈流出を障害する。


[正解] 全て [出典] 第31回麻酔指導医認定筆記試験:B23

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