レミフェンタニル前投与による気管挿管までの時間に及ぼす予防的アトロピンの効果

アトロピン.png・標的制御プロポフォールおよびレミフェンタニル麻酔でのレミフェンタニルの前投与は、循環動態効果のために筋弛緩の発現時間を延長し、それによって気管挿管までの時間を延長する可能性がある。レミフェンタニルの交感神経遮断作用は徐脈と低血圧を引き起こすが、これらの反応はアトロピンの投与によって軽減できる可能性がある。そこで、アトロピンの予防的投与が気管挿管までの時間の延長を防げるかどうかを調査した。

・64 人の患者が本研究に含まれた。彼らは、レミフェンタニルの前投与直前に、A 群(アトロピン 0.5mg、n=32)と S 群(0.9% 生食、n=32)に無作為化された。主要評価項目は気管挿管までの時間であり、副次評価項目はロクロニウム効果発現時間、意識喪失までの時間(LOC)、バイスペクトラルインデックス(BIS)値が 60 に達するまでの時間、循環動態変数であった。

気管挿管までの時間の中央値[四分位範囲]は、S 群で 240[214、288]秒、A 群で 190[176、212]秒であった(中央値の差:50 秒、95% 信頼区間:27〜80 秒)、P=0.001)。ロクロニウムの効果発現時間は、S 群と比較して A 群で有意に短縮した(129[110、156] vs 172[154、200]、P=0.001)。LOC に達して BIS 値が ??60 になるまでの時間は、2 群間で有意差はなかった。心拍出量(CO)と心拍数は、S 群よりも A 群の方が減少幅が少なかった(それぞれ P=0.02、P<0.001)。

アトロピンの予防的投与は、標的制御プロポフォールおよびレミフェンタニル麻酔で、レミフェンタニルを事前投与した場合の CO の減少を代償する可能性がある。これにより、ロクロニウムの効果発現時間の延長が回避され、気管挿管までの時間が短縮された。

個人的にはレミフェンタニルは導入時には使用していないが、ロクロニウムによる筋弛緩が得られるまでに 3 分近くもかかるのか。

【出典】
Effects of prophylactic atropine on the time to tracheal intubation with the pre-administration of remifentanil
Acta Anaesthesiol Scand. 2020 Nov 9. doi: 10.1111/aas.13739. Online ahead of print.

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