大腿骨骨折手術を受ける待機的成人患者における脊椎麻酔ポジショニング中のフェンタニル静脈内投与、大腿神経ブロック、腸骨筋膜ブロックの鎮痛効果の比較:無作為化比較試験

大腿骨骨幹部骨折.png・大腿骨骨折は最も痛みを伴う骨の損傷であり、非常に優れた鎮痛方法がない限り、脊椎麻酔を行うことは非常に困難である。強いオピオイドの静脈内投与が一般的であるが、現在では神経ブロックも利用されている。前述の方法の信頼性と有効性は、世界的に実践するには決定的なものではない。本研究の目的は、大腿骨骨折患者で脊椎麻酔のための体位取りをする際に、フェンタニル静脈内投与、大腿神経ブロック(FNB)、腸骨筋膜ブロック(FICB)の鎮痛効果を比較することであった。

・年齢 18〜65 歳の大腿骨骨折患者 72 名を対象に無作為化比較試験を実施し、3 群に無作為に割り付けた。フェンタニル静脈内投与群にはフェンタニルを 1μg/kg 静脈内投与、FNB 群には神経刺激ガイド下の FNB をアドレナリン入り 1% リドカイン 30mL、FICB群にはアドレナリン入り 1% リドカイン 30mL の FICB を実施した。数値評価スコア(NRS)による疼痛強度、脊椎麻酔を行う時間、体位取りの質、患者受容性を評価した。データの分析には SPSS バージョン 26 と Kruskal-Wallis 検定を用い、p<0.05 をもって有意とした。

体位取り時の NRS 疼痛スコアは、IVFE 群に比べて FNB 群、FICB 群の方が有意に低かった[中央値(IQR)];2(1-2.5)、2(2-3) vs 3(3-4);P<0.001、P=0.001。ただし、FNB 群と FICB 群では有意差はなかった(P=1.000)。脊椎麻酔を行う時間は、IVFE 群では 9.5 分(9〜10 分)で、FNB群 7(6〜8 分)、FICB 群 8(6〜8 分)と比較して有意に長かった(P<0.001)。体位取りの質は IVFE 群の方が FNB 群、FICB 群よりも有意に低かった(P<0.001)。

術前の FNB と FICB は、待機的大腿骨骨折手術を受ける患者で、体位取り時の疼痛スコアを減少させ、脊椎麻酔を行う時間を短縮し、患者の体位取りを改善し、より高い患者受容性を得ることができた。

手間をかければ患者満足度は増すだろうが、ブロックをしてなおかつ脊椎麻酔までするのはちょっと手間かけ過ぎでないかい?

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この記事へのコメント

2020年12月18日 16:02
全例ではないですが、フェンタ静注して体位とっています
少ししか効果はないと思いますが・・・
脊麻のレベル判定に支障がない程度に。