小児におけるレミフェンタニルの瞳孔径ガイド下投与と通常投与の比較:無作為化比較試験

瞳孔径.png・レミフェンタニルは小児麻酔時によく使用されるオピオイド系鎮痛剤である。レミフェンタニルを適切に投与するためには、客観的疼痛測定が必要である。著者らは、瞳孔径をガイドとしたレミフェンタニル投与により、小児におけるレミフェンタニルの術中消費量を減らせる可能性があるかどうかを検討した。

・2018 年 12 月から 2019 年 6 月まで、単盲式前向き無作為化比較試験を実施した。年齢 3〜12 歳で、ASA-PS I〜II に分類され、全身麻酔下で定時手術を受ける小児を対象とした。56 人が包含基準を満たし、54 人が研究を完了した。参加者は無作為に瞳孔検査群と従来型群のいずれかに割り付けられた。両群の患者にはレミフェンタニルの標的制御注入によって投与された。瞳孔測定群ではレミフェンタニル効果部位濃度の調整は瞳孔径によって決定されたが、従来型群では麻酔科医の経験に基づいて調整された。主要評価項目は術中レミフェンタニル消費量を患者体重と注入時間で割ったもの(ng/kg/min)であった。

レミフェンタニル消費量は、従来群と比較して瞳孔測定群で 25% 減少した(それぞれ、116.7±56.0 ng/kg/min vs. 155.8±64.9 ng/kg/min、P=0.02)。術中および術後の血圧、心拍数には差はなかった。術後の酸素飽和度低下や嘔気嘔吐の発生率には有意差はなかった。

全身麻酔下の小児への瞳孔径をガイドとしたレミフェンタニル投与は、術中のレミフェンタニル消費量を減少させる可能性がある。

瞳孔径測定による疼痛度評価は、有望な疼痛モニターの一種である。

【出典】
Comparison of Remifentanil consumption in pupillometry-guided versus conventional administration in children: a randomised controlled trial
Minerva Anestesiol. 2020 Dec 10. doi: 10.23736/S0375-9393.20.14755-2. Online ahead of print.

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 1

面白い

この記事へのコメント

2020年12月16日 10:37
瞳孔径はどのような測定法、どのくらいの変化の差なんでしょうか
サマリーだけだとわからなかったので
できましたら、コメントをお願い致します。
いつも、楽しみに、たまにまとめて拝見してます
凄い継続力ですね!
SRHAD-KNIGHT
2020年12月16日 14:01
pさん、コメントありがとうございます。
>瞳孔径はどのような測定法、どのくらいの変化の差なんでしょうか

全く別の文献ですが・・・
Anesthesiology の以下の文献では、
Validation of Innovative Techniques for Monitoring Nociception during General Anesthesia: A Clinical Study Using Tetanic and Intracutaneous Electrical Stimulation
Anesthesiology August 2017, Vol. 127, 272?283.
「瞳孔径は、赤外線ポータブルダイナミックビデオ瞳孔計を用いて、侵害刺激の1分前と2分後に連続的に測定した。サンプリング周波数は67Hz(15msごとに瞳孔径を記録)で、精度は0.05mm。この装置は、副交感神経系の抑制を媒介とした侵害受容性刺激の後に、ミリ単位で瞳孔反射の拡張を測定します。」と測定法が記載されています。

Fig.3 の結果を見ると、レミフェンタニル投与によって、テタヌス刺激および皮内刺激の前後のΔPDが激減(3~4 ⇒ 0.1~0.4)していますね。
p
2020年12月18日 15:53
ご回答ありがとうございます。簡単には測れそうもないし、実用以前に、まだ研究発表の段階ですね。