受診時の貧血は高齢者股関節骨折後の急性期死亡率と再入院の必要性を予測する

貧血4.png・股関節骨折を呈した高齢患者における貧血と術後の罹患率および死亡率との関係についての研究は少ない。本研究の目的は、股関節骨折を呈した高齢患者における術後 30 日の罹患率および死亡率に対する受診時の貧血の影響を明らかにすることであった。

・米国外科学会全国手術の質改善プログラム(ACS-NSQIP)データベースを、2011 年から 2016 年まで年齢 60 歳以上の股関節骨折患者全例を対象に検索した。含まれたのは、関節形成術、髄内釘、観血的整復、内部固定で治療された、緊急の片側性の非病的股関節骨折(大腿骨頸部、転子間、転子下)のすべてであった。ヘマトクリット(HCT)値が男性患者で 0.41 未満、女性患者で 0.36 未満の場合を貧血と分類した。年齢、肥満指数(BMI)、人種、併存疾患、喫煙状況、米国麻酔科学会(ASA)クラス、ベースラインの機能状態、手術までの時間、手術時間、麻酔の種類、輸血の必要性、固定方法、在院期間(LOS)、退院先を収集した。主要転帰は術後 30 日死亡率であり、副次評価項目として全ての再入院と術後虚血性イベント(脳血管病変[CVA]と心筋梗塞[MI])を分析した。多変量回帰分析を行い、交絡変数を調節しながらオッズ比(OR)と 95% 信頼区間(CI)を算出した。

・34,805 人の患者のうち、22,469 人(65%)が受診時に貧血(女性 63%;平均年齢 80±8 歳)、12,336人(35%)が受診時に貧血でなかった(女性 85%;平均年齢 79±8 歳)であった。受診時の貧血は死亡率(OR 1.3[95% CI,1.1〜1.5])および再入院(OR 1.2[95% CI,1.1〜1.3])と独立に関連していたが、MI(OR,1.1[95% CI,0.9〜1.4])および CVA(OR,0.8[95% CI,0.6〜1.1])には関連性は認められなかった。

・本研究で得られた知見では、貧血は、高齢股関節骨折患者における術後 30 日の罹患率と死亡率の増加と関連していることを示唆している。さらなる研究は、この修正可能な危険因子を明らかにし、股関節骨折患者の術前最適化を進めることに焦点を当てるべきである。

貧血の有無というのは、全身的評価指標の一つなので、術後死亡率や再入院率を関連性があっても不思議ではないな。

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント