気管挿管による全身麻酔後の声帯麻痺:43 例の臨床レビュー

発声.png・声帯麻痺(VCP)は、全身麻酔を受ける患者にとって最もストレスの多い経験の一つである。さらに、誤嚥性肺炎の危険因子であり、罹患率と死亡率を増加させる可能性がある。著者らは、全身麻酔後に VCP を経験した患者の診療録をレビューすることで、この病態の臨床的特徴を検討した。

・全身麻酔後に嗄声、咽頭痛、咽頭不快感、嚥下障害を訴えて耳鼻咽喉科を受診した患者 321 例の診療録を検討した。このうち今回の研究に含まれたのは、喉頭鏡検査で VCP と診断された 43 症例で、術前に VCP を疑う症状がなく、VCP の既往歴がなく、術後に気管挿管が継続されなかった患者である。

・VCP 患者の平均年齢は 51.3 歳であった。手術部位は上肢手術が最も多く、12 例であった(坐位での手術は 9 例であった)。手術時間については、3 時間未満の症例は 11 例であったが、3 時間以上の手術が必要な症例は 32 例であった。VCP のうち 9 例は自然回復したが、13 例では最終的な経過観察まで VCP が持続した。

・本研究が全身麻酔後の VCP の発生に注目するきっかけになれば幸いである。また、坐位姿勢で行われた上肢手術で VCP の発生率が高い理由をさらに検討する必要がある。

坐位での上肢手術に声帯麻痺が多いというのは初めて聞いたな。昔、調べたところでは、経鼻胃管を挿入された消化管手術症例が多かった。

【出典】
Vocal cord paralysis following general anesthesia with endotracheal intubation: a clinical review on 43 cases
Anesth Pain Med (Seoul). 2020 Apr 30;15(2):226-232. doi: 10.17085/apm.2020.15.2.226. Epub 2020 Apr 29.

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この記事へのコメント

2020年12月24日 09:52
Anesth Pain Med (Seoul)はサマリーだけでなく全文見れていいですね
SRHAD-KNIGHT
2020年12月25日 07:17
pさん コメントありがとうございます。

>Anesth Pain Med (Seoul)はサマリーだけでなく全文見れていいですね

Indian Journal of Anaesthesia("https://www.ijaweb.org/")なんかも、全文が閲覧できておススメです。

a
2021年01月20日 01:02
挿管後に嗄声が出現した患者さん2人(1人は甲状軟骨脱臼と診断)がくしゃみで嗄声が改善して発声できるようになるのを経験しました。
SRHAD-KNIGHT
2021年01月21日 07:13
aさん、コメントありがとうございます。
>1人は甲状軟骨脱臼と診断
披裂軟骨脱臼はよく文献的に書かれていますが、甲状軟骨脱臼というのは初めて聞きました。
> しゃみで嗄声が改善して発声できるようになるのを経験しました。
これもまた、初めて聞きました、「鼻の穴をこよりでくすぐってくしゃみを誘発したら、脱臼が整復できる。」なんて面白いですね。