■ 臨床麻酔とクリティカルケアのMCQ問題 ■ 2021/01/18

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【問題1】(脳外科) くも膜下出血の術後管理について正しいのはどれか。

ア:脳血管攣縮時には、その領域の平均血流速度は増加する。

イ:聴性脳幹反応上、ICP≧30mmHgでは V 波が延長し始める。

ウ:バルビタール投与によりABRの潜時は延長する。

エ:局所脳血流量が10ml/100g/min以上であれば短潜時体性感覚誘発電位(SSEP)には変化がない。

オ:脳虚血の急性期や頭蓋内圧上昇により脳血流の低下した場合、内頚静脈酸素飽和度は著しい低下を認める。


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[解説] 脳血管攣縮時には、経頭蓋ドップラーで測定される平均血流速度は増加する。聴性脳幹反応上、ICP≧30mmHgでは V 波(中脳下丘由来の電位)が延長し始める。バルビタール投与によってもABRの潜時は影響が少ない。局所脳血流量が16ml/100g/min以上であれば短潜時体性感覚誘発電位(SSEP)には変化がないが、10〜12ml/100g/min以下に低下するとN20(大脳皮質体性感覚野)が消失する。脳虚血の急性期や頭蓋内圧上昇により脳血流の低下した場合、内頚静脈酸素飽和度は著しい低下を認める。さらに高度の虚血が持続し神経細胞の大多数が障害されれば、代謝はむしろ低下するのでSjvO2は上昇する。


[正解] (ア)、(イ)、(オ) [出典] LiSA 1巻 2号 p74〜 (1994.12)



【問題2】(血管手術の麻酔) 胸部大動脈瘤手術に伴う脊髄障害について正しい記述はどれか。

ア:Adamkiewicz 動脈は半分以上の症例でT9−T12から出る。

イ:前脊髄動脈症候群では、対麻痺、失禁がみられる。

ウ:高血糖があると、脊髄虚血が悪化する。

エ:大動脈を15分程度単純遮断しても脊髄障害が起こることは少ない。

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[解説] Adamkiewicz 動脈がL2より下で出ることはまれである。腹部大動脈瘤手術で対麻痺になる確率は1%未満であるが、胸部、胸腹部大動脈手術の場合に対麻痺になる頻度は7−40%と報告されている。前脊髄動脈症候群では、対麻痺、膀胱直腸障害、温痛覚消失が起こる。


[正解] (全て) [出典] 麻酔科クリニカル問題集



【問題3】(心臓・血管) 超音波診断装置について正しいのはどれか。

ア:レンズ効果は減衰により起こるアーチファクトである。

イ:タドポールテールサインは、減衰により起こるアーチファクトである。

ウ:電子セクタ走査方式は、腹部検査に最も適している。

エ:電子コンベックス走査方式では、凸状の接触面で圧追できるので消化管ガスの影響を受けにくい。

オ:縦波は粒子の振動方向と直交した方向に伝搬する波である。


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[解説] ×:レンズ効果は、超音波ビームの屈折により、実際の位置と異なったり、あるいは二重に見える現象であり、腹部では、腹直筋がレンズの働きをして大動脈などが二つに見えることがある。
○:タドポールテールサインとは、超音波透過性の良い組織は減衰が少ないために後方に多くの超音波が透過し、後方のエコー輝度が周囲と比べ増強し、おたまじゃくしの尾状に描出される現象である。腹部では嚢胞などで生じる。
×:電子セクタ走査方式とは、遅延時間を設けて順次振動子を駆動することによって超音波ビームを扇形に放射する方式であり、振動子数は48素子から128素子程度が一般的である。接触面が小さいため検索性が高く、浅部の視野は狭いが深部での視野が広く得られるので、肋間走査が主となる心臓検査に最も適している。
○:電子コンベックス走査方式は、リニア方式の振動子を凸型に配列させたもので、深部での視野が広く、浅部でも広視野が得られる。凸状の接触面で圧追できるので消化管ガスの影響を受けにくく、腹部検査に最も適している。
×:横波は粒子の振動方向と直交した方向に伝搬する波であるが、生体軟部組織中はほとんど伝搬しない。



[正解] イ、エ [出典]



【問題4】(硬膜外麻酔) リドカインによる硬膜外麻酔で、エピネフリン(1/200000)添加の効果として誤っているのはどれか。

ア:試験量で血管注入を発見しやすい。

イ:運動神経ブロックの程度が強い。

ウ:知覚神経ブロックの持続が長い。

エ:血圧の低下が少ない。

オ:最高血中リドカイン濃度が低い。


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[解説] 試験量として、1/20万エピエンフリン添加局麻薬3mlを硬膜外腔に注入した場合、誤って硬膜外静脈内に注入されると、20〜40秒以内に心拍数が30、収縮期血圧が20上昇し、約3分間持続するとされる。運動神経ブロックの程度が強く、知覚神経ブロックの持続が長くなる。硬膜外麻酔に用いられる80〜130μgのエピネフリンは、β受容体刺激作用により、心拍数中等度増加、心拍出量増加、末梢血管抵抗減少、平均動脈圧の低下を招来し、局麻薬単独時(平均動脈圧9%低下)よりも血圧低下が大きくなる(22%低下)。局麻薬の最高血中濃度を有意に低下させる。


[正解] (エ) [出典] 第29回麻酔指導医認定筆記試験:B23

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