■ 臨床麻酔とクリティカルケアのMCQ問題 ■ 2021/01/19

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【問題1】(麻酔) 笑気の吸収・排泄に関係があるのはどれか。

ア: 濃度効果(concentration effect)

イ: 二次ガス効果(second gas effect)

ウ: 拡散性低酸素症(diffiusion hypoxia)

エ: 体内閉鎖腔(closed air cavity)の膨張

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[解説] 肺胞内濃度を吸入ガス濃度に早く近づけるには、吸入濃度を高くするほど効果がある。この効果を濃度効果という。高濃度で用いる笑気(亜酸化窒素)のような麻酔薬では強い効果がある。
ア:○ 数%で用いる揮発性吸入麻酔薬に比べ、数十%で用いる笑気は濃度効果が強い。
イ:○ 笑気による拡散性低酸素症防止のため、笑気麻酔終了後に、100%酸素の吸入が必要である。
ウ:○ 二次ガス効果とは、笑気と吸入麻酔薬(二次ガス)を併用した場合、二次ガスを単独で用いるときより導入が速くなる現象。
エ:○ 笑気により体内閉鎖腔が膨張されるため、イレウス、気胸などが存在する患者には禁忌である。おなじ理由により、腹腔鏡や胸腔鏡を用いた手術でも笑気は使用されない。



[正解] (ア)〜(エ)のすべて [出典] 医師国家試験 65B79



【問題2】(中枢神経) 頭蓋内圧亢進患者の麻酔について正しいのはどれか?

ア:エスモロールのような短時間作用性のβ遮断薬は気管挿管時の血圧上昇を抑える作用がある。

イ:頭蓋内圧亢進患者の麻酔維持中には過換気は避ける。

ウ:脳酸素消費量と脳血流量には相関関係はない。

エ:頭蓋内圧亢進患者の麻酔維持中には脳血流量を減少させる麻酔薬を避ける。

オ:ハロゲン化揮発性麻酔薬は脳酸素消費量を低下させ脳血流量を低下させる。


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[解説] ア:○:エスモロールのような短時間作用性のβ遮断薬は気管挿管時の血圧上昇を抑える作用がある。
イ:×:頭蓋内圧亢進患者の麻酔維持中は、過換気を行ってPaCO2を25〜30mmHgまで下げて脳血管を収縮させて血液量を減少させて、頭蓋内圧を下げる方法がとられる。
ウ:×:一般に脳酸素消費量が増加すると、1〜2分遅れるが、脳血流量も増加する(相関関係がある)。
エ:×:頭蓋内圧亢進患者の麻酔維持中には脳血流量を増加させる麻酔薬(揮発性麻酔薬やケタミン)を避ける。
オ:×:揮発性麻酔薬は、脳血管を直接拡張させて頭蓋内圧を増加させるが、一方で脳酸素消費量を減少させるため、脳血流量と脳酸素消費量との相関は失われる。



[正解] 解説を参照 [出典] 麻酔科シークレット第2版 p321-326



【問題3】(産科麻酔) 産科麻酔について正しいのはどれか?

ア:妊婦では尿糖(10mg/dl未満)や尿蛋白(300mg/dl未満)は病的ではない。

イ:妊婦では胃の蠕動運動が亢進する。

ウ:胎児心拍数160回/min以上を胎児頻拍という。

エ:妊婦ではALPが高値である。

オ:妊婦ではBUNやクレアチニンが低下する。


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[解説] ア:○:妊婦では尿糖(10mg/dl未満)や尿蛋白(300mg/dl未満)は病的ではない。
イ:×:妊婦では胃の蠕動運動が低下しているため、胃内容物の排出時間が延長する。
ウ:○:胎児心拍数160回/min以上を胎児頻拍という。120回/min未満を胎児徐脈という。通常は、120=160回/minである。
エ:○:妊婦ではLDH、血清ビリルビン、ALT、AST、ALPが高値である。
オ:○:妊娠4ヶ月までに、腎血漿流量、糸球体濾過率、クレアチニンクリアランスは増加し、BUNやクレアチニンが低下する。



[正解] 解説を参照 [出典] 麻酔科シークレット第2版 p412-419



【問題4】(産婦人科麻酔) 妊婦の生理について正しいのはどれか。

ア:収縮期血圧は正常妊娠の経過中各週でほとんで変化を認めない。

イ:拡張期血圧は妊娠14〜24週にかけて10〜15mmHgくらい低下する。

ウ:妊娠中は心拍出量は増加する。

エ:妊娠末期の子宮血流は600〜700ml/minに増加する。

オ:分娩第1期は血圧変動が少ないが、2期では子宮収縮時に約15〜20mmHgの血圧上昇が認められる。


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[解説] 収縮期血圧は正常妊娠の経過中各週でほとんで変化を認めないが、拡張期血圧は妊娠14〜24週にかけて10〜15mmHgくらい低下する。これは末梢血管抵抗の低下、とくに胎盤循環が付加されるためとされている。妊娠中は心拍出量は増加し、これにより子宮、胎盤、皮膚への臓器血流量が増加する。特に、子宮血流は妊娠10週では50ml/minであるが、末期では600〜700ml/minに増加する。分娩第1期は血圧変動が少ないが、2期では子宮収縮時に約15〜20mmHgの血圧上昇が認められる。


[正解] 全て [出典] LiSA Vol2-No8-p48(1995)

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