■ 臨床麻酔とクリティカルケアのMCQ問題 ■ 2021/01/20

【問題1】(心臓・血管) 完全房室ブロックは、( )度の房室ブロックと呼ばれ、ペースメーカーの適応と( )となる。 | 1) I ならない 3) III なる 5) III ならない | 2) I なる 4) II ならない |
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[解説] 完全房室ブロックは、 III 度の房室ブロックと呼ばれ、ペースメーカーの適応である。
[正解] 3 [出典]
【問題2】(体液・電解質) 血清カルシウム値のアルブミン値による補正式は次のどれが適当か? | 1) 補正Ca=測定Ca+4-アルブミン 3) 補正Ca=測定Ca+5-アルブミン 5) 補正Ca=(測定Ca+アルフ゛ミン)/2 | 2) 補正Ca=測定Ca-4+アルブミン 4) 補正Ca=測定Ca-5+アルブミン |
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[解説] Caは神経筋活動に不可欠であり、内分泌機能、血液凝固機能にも重要である。凝固因子の4番目=Ca(カル4ウム)、抗不整脈薬の第4群=Ca(カル4ウム)拮抗剤(Vaughan Williamsの分類)、生体機能に重要なのは、イオン化Caである。総Caのうち45%はイオン化しているが、残りの大部分はアルブミンと結合している。通常は総Ca値が測定されるので、アルブミン濃度で補正して考える。「補正Ca=測定Ca+4−アルブミン」アルブミンに対するCaイオンの結合は水素イオンと競合するので、血液pHが上昇する(アルカローシス)とアルブミンに結合するcaイオンが増え、イオン化Caが低下する。全Ca量=20g/kg、99%は骨のCaであり、1%が細胞外液と細胞内液に存在する。細胞内液中のCa濃度は細胞外液の1/10000以下である。
[正解] 1 [出典] クリティカル記憶術1P205
【問題3】(硬膜外麻酔) 硬膜外麻酔で正しいのはどれか? | ア:脊椎一分節の麻酔に必要な局所麻酔薬の量は3〜4mlである。 イ:Th5〜L1のブロックで腸管運動が低下する。 ウ:S1〜S5のブロックで子宮体部の知覚が消失する。 エ:妊娠20週では局所麻酔薬の必要量が低下する。 オ:Th1〜4のブロックで脈拍数が減少する。 |
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[解説] 4〜20歳まで、成長に伴って量は多く必要で、1分節当たりの所要量は18歳では4才の3倍必要。20才(1.2〜1.7ml必要(Bromage))を越えると減少し、100歳では4歳と同じ)。1分節に必要な量は、腰部を1とすると胸部で0.7、仙骨部では2必要。交感神経系の遮断→迷走神経優位→腸管運動亢進(術後の排ガス促進)。子宮下部・頚部を含め子宮の知覚はT10〜L1の遮断が必要。骨盤底および会陰部の知覚はS2〜S4の遮断で消失。妊娠20週では下大静脈圧迫→硬膜外腔静脈怒張→薬液の入る空間減少→必要量減少。T1〜T4ブロックにより脈拍数は減少。
[正解] (エ)、(オ) [出典] 第34回麻酔指導医認定筆記試験:B4
【問題4】(肝・腎・消化管) 急性虫垂炎と鑑別診断上問題となる疾患はどれか? | 1) 腸閉塞 3) 急性胆嚢炎 5) 右尿路結石 | 2) 急性膵炎 4) 消化性潰瘍穿孔 |
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[解説] 急性虫垂炎と鑑別診断上問題となる右下腹痛を生じる可能性のある疾患としては、右側大腸憩室炎、右尿路結石、卵巣嚢腫茎捻転、子宮外妊娠破裂、急性腸炎、回盲部リンパ腫、腸アニサキス症、腸間膜リンパ節炎などが挙げられる。
[正解] 5 [出典]
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