下肢手術におけるブピバカインのクモ膜下投与の補助薬としてのブロック特性に及ぼすフェンタニルの影響

フェンタニル2.png・区域麻酔は、患者が意識を保ったまま、気道管理に伴う問題を最小限に抑える可能性があるため、下腹部および下肢の手術のほとんどで好まれる手技である。高比重の 0.5% ブピバカインは、脊椎麻酔に広く使用されているが、持続時間が短いという限界がある。また、合成脂溶性オピオイドであるフェンタニルの添加は、術後の鎮痛効果を延長させることが知られている。著者らは、高比重ブピバカインへのフェンタニルの添加が血行動態の変化、知覚・運動ブロックの程度、鎮痛時間、術中に起こる合併症に及ぼす影響を研究することを目的とした。

・本研究は、前向き無作為化二重盲式比較試験であった。患者はそれぞれ30人ずつの3群に無作為に割り付けられた。I 群(n[患者数]=30 名)には、高比重 0.5% ブピバカイン 2.0mL を生理食塩水で 2.5mL に希釈したものを投与した。II 群(n=30)には、高比重 0.5% ブピバカイン 2.0mL とフェンタニル 20μgを、III 群(n=30)には、高比重 0.5% ブピバカイン 2.0mL とフェンタニル 50μg をそれぞれ生理食塩水で 2.5mL に希釈したもの投与した。統計解析は、カイ二乗および Student's t-検定を用いてデータを分析した。

知覚ブロックおよび運動ブロックの発現は、III 群では I 群および II 群に比べて早かった(P<0.05)。鎮痛時間は III 群で有意に長く、次いで II 群、I 群では最も短かった。しかし、低血圧、嘔気、そう痒症の発現率は III 群の方が高かった。

フェンタニル 20μg を含むブピバカイン 2mg のクモ膜下投与により、副作用発現率を高めることなく、信頼性の高い満足のいく知覚・運動ブロックが得られた。

脊椎麻酔に際し、ブピバカイン 2.0ml に添加するフェンタニルの量は、副作用の点から 20μg 程度が良いようだ。

【出典】
Effect of Fentanyl on Block Characteristics as Adjuvant to Intrathecal Bupivacaine for Lower Limb Surgeries
Anesth Essays Res. Apr-Jun 2020;14(2):343-348. doi: 10.4103/aer.AER_58_20. Epub 2020 Oct 12.

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