全身麻酔を受けた患者の周術期低体温の発生とその要因の検討

シバリング8.png・意図しない周術期低体温は、中心体温が 36 ℃以下と定義され、心血管疾患、周術期出血性障害、薬物代謝障害などの多くの合併症と密接に関係している。周術期低体温症の発生率を把握し、その危険因子を検討することは、低体温症とその合併症の予防に役立つと考えられる。

・全身麻酔下で様々な手術を受けた 2015 例の患者を対象に前向き観察研究を行い、低体温症発症の危険因子を分析した。

・周術期低体温症の発生率は 78.6% であった。2 時間以内の低体温症発生率は 56.6%、2 時間後は 100% であった。平均年齢は 49.36±16.10 歳、65 歳以上が 17.8% であった。平均肥満指数(BMI)は 27.96±3.94kg/m2 であった。60.8% の患者は ASA-I、33.4% が ASA-II、5.8% が ASA-III であった。35.8% の患者が併存疾患を有していた。輸液剤と灌流液は温められていなかった。99.9% の患者は受動的に温められ、術中に積極的に温められたのは 0.1% の患者のみであった。低体温症の発生率は、過体重(BMI≧25kg/m2)、高齢者(年齢 65 歳以上)、併存疾患のある患者で高かった。ASA スコアが高い、グレード 3〜4 の手術、内視鏡手術、麻酔時間が 2 時間以上、輸液や灌流液が 1000mL 以上の患者では低体温症の発生率が有意に高かった。

周術期低体温症の発生率は高かった。重要な危険因子は、麻酔/手術の長時間化、高齢化、過体重、ASA スコアが高い、大手術、内視鏡手術、温められていない輸液剤投与であった。周術期低体温症の予防に関するガイドラインの推奨事項を遵守し、危険因子の可能性を考慮し、意識を高めることで、高い発生率を減らす可能性があると考えられる。

術者は清潔ガウンをまとうため、一般に手術室室温は低く、患者は低い環境温に曝されやすく、また全身麻酔は、体温保持に働く自律神経系を抑制するため、低体温をきたしやすい。

【出典】
The incidence of inadvertent perioperative hypothermia in patients undergoing general anesthesia and an examination of risk factors
Int J Clin Pract. 2021 Feb 22;e14103. doi: 10.1111/ijcp.14103. Online ahead of print.

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