小児における導入後低酸素血症の発生率と導入ガス組成の影響

小児の換気.png・小児の前酸素化および麻酔の吸入導入は、混合ガスを含む可能性がある。小児では、吸入導入時に酸素と一緒に他のガスを使用している間の酸素化に及ぼす臨床的影響は不明である。著者らは、小児における吸入ガス導入後の低酸素血症の発生率を記録することにより、酸素、亜酸素化窒素、揮発性麻酔薬に追加した空気濃度の影響を明らかにすることを目的とした。

・自動情報管理システムの記録を用いて、吸入麻酔導入後の低酸素血症の発生率を求めた。低酸素血症のエピソード(SaO2<90% が少なくとも 120 秒間持続)は、3 分間の麻酔導入期間の後 10 分間に記録された。亜酸素化窒素濃度と酸素濃度を記録し、窒素濃度を推定した。また、患者の性別、年齢、ASA 状態を共変量として考慮した。

・合計 27,258 例が解析に含まれた。吸入麻酔導入後の低酸素血症の全体的な発生率は 5.08 %(95%CI 4.83〜5.35)であった。低酸素血症は、若年患者および ASA スコアが高い患者の方がよく見られた。これらの因子と性別で調整したところ、吸入酸素濃度が 60% 未満の場合には低酸素血症の発生率が 1.2 倍に増加し、吸入酸素濃度が 40% 未満の場合には低酸素血症の発生率が全体の 2.37 倍に増加した。亜酸素化窒素や窒素の濃度差をモデルに要因として加えても、明らかな影響はなかった。

小児における吸入麻酔導入後の低酸素血症のリスクは、吸入酸素濃度が 60% 以上の場合に最小化される。

小児は、十分な前酸素化を行っていても、比較的早期に酸素飽和度が低下してくる。挿管(無呼吸)前の換気は、必ず高濃度酸素(できれば 100%)で肺内のガスを置換しておくべきだ。

【出典】
Incidence of post-induction hypoxemia in children and the effect of induction gas composition
Paediatr Anaesth. 2021 Feb 22. doi: 10.1111/pan.14161. Online ahead of print.

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