世界 29 カ国の重症患者における挿管方法と挿管前後の有害事象について

気管挿管2.png・気管挿管は、重症患者において最もよく行われるハイリスクな治療法の一つである。挿管前後の有害事象に関する情報は限られている。研究の目的は、挿管前後の有害事象の発生率と性質を評価し、重症患者における挿管の現状を評価することであった。

・International Observational Study to Understand the Impact and Best Practices of Airway Management in Critically Ill Patients(INTUBE)研究は、2018 年 10 月 1 日から 2019 年 7 月 31 日(2019 年 8 月 28 日が最終経過追跡)まで、5 大陸 29 か国の 197 施設の便宜的被験者で、集中治療室(ICU)、救急部、病棟で気管挿管を受ける連続した重症患者を対象とした国際多施設共同前向きコホート研究であった。主要評価項目は、挿管手技の開始から 30 分以内に発生した以下のイベントのうち少なくとも 1 つと定義された主要な挿管前後有害事象うの発生率であった:心血管不安定(以下のいずれか:収縮期血圧<65mmHg が 1 回以上、<90mmHg が 30 分以上、血管収縮剤またはボーラス輸液>15mL/kg の新規または増加の必要性)、重度の低酸素血症(酸素飽和度<80%)または心停止。副次評価項目として、集中治療室での死亡率が挙げられた。

・スクリーニングした 3659 例のうち、5 大陸 197 施設の 2964 例(年齢中央値 63 歳、四分位範囲[IQR] 49〜74歳、男性が 62.6%)を対象とした。挿管の主な理由は、52.3% の患者が呼吸不全で、次いで 30.5% が神経障害、9.4% が心血管系の不安定さであった。主要評価項目のデータは、全患者で入手可能であった。対象患者のうち 45.2% が、少なくとも 1 つの主要な挿管前後の有害事象をきたしていた。最も多かったのは心血管不安定で、緊急挿管を受けた全患者の 42.6% に認められ、次いで重度の低酸素血症(9.3%)、心停止(3.1%)であった。ICU 全体の死亡率は 32.8% であった。

・本研究では、29 カ国 197 施設から収集された重症患者の挿管方法に関する観察研究で、挿管前後の主要な有害事象、特に心血管障害が頻繁に観察された

気管挿管を必要とする重症患者の半分程度が、気管挿管に際して何らかの有害事象が起きている。重症患者の気管挿管はストレスフルな処置である。

【出典】
Intubation Practices and Adverse Peri-intubation Events in Critically Ill Patients From 29 Countries
JAMA. 2021 Mar 23;325(12):1164-1172. doi: 10.1001/jama.2021.1727.

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 1

ナイス

この記事へのコメント