甲状腺摘出術患者の術中凝固能に及ぼすスガマデクスとネオスチグミンの効果

止血凝固.png・スガマデクスは、筋弛緩薬の画期的な拮抗薬である。非常に効率的であることが知られている。しかし、凝固能の変化は、外科医にとっても麻酔科医にとっても懸念される最も危険な潜在的合併症の一つである。出血により、低用量性ショック、血腫などを引き起こす可能性がある。甲状腺摘出術を受けた患者の凝固能に対するスガマンデクスの効果を調査するために、スガマンデクスとネオスチグミンのいずれかで治療を受けた患者を比較した。

甲状腺摘出術を受けた甲状腺腫瘍患者 80 人をスガマンデクス群(S 群)とネオスチグミン群(N 群)に無作為に割り付けた。麻酔はプロポフォール、スフェンタニル、ロクロニウムを用いて行った。ロクロニウムによる筋弛緩を拮抗するために S 群ではスガマンデクス 2.0mg/kg を、N 群ではネオスチグミン 40μg/kg を投与した。術中の凝固能は、ロクロニウム注入後(T0)、拮抗後 10 分後(T1)、拮抗後 30 分後(T2)に、活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)、プロトロンビン時間(PT)、フィブリノゲン(FIB)、トロンビン時間(TT)、TEG-Haemonetics を検査することによりモニターした。周術期に出血量を記録した。

・N 群では各時点でのトロンボエラストグラム、APTT、PT、FIB、TTの測定値は、有意差はなかった。S 群の T1 における反応時間(R 時間)および動態時間(K 時間)は、T0 および T2 における反応時間(R 時間)および動態時間(K 時間)と比較して有意に長く、R 時間は同時間点で N 群と比較して有意に長かった(P<0.05)。さらに、S 群では、T1 で APTT が延長し、T2 で正常に戻った。

・この結果から、スガマンデクスは一過性の効果で凝固パラメータを延長させたが、ネオスチグミンは凝固能を変化させなかったことが示された。

スガマデクスには、一過性に凝固パラメータの延長作用が認められるようだ。

【出典】
Effects of Sugammadex versus Neostigmine on Intraoperative Coagulation Profiles in Patients with Thyroidectomy
Drug Des Devel Ther. 2021 Feb 25;15:829-834. doi: 10.2147/DDDT.S286803. eCollection 2021.

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 1

驚いた

この記事へのコメント