■ 臨床麻酔とクリティカルケアのMCQ問題 ■ 2021/04/07

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【問題1】(体液・電解質) 高カリウム血症の原因のうちで、カリウムの細胞外流出が原因であるものはどれか?
1) スピロノラクトン投与
3) 腎不全
5) ACE阻害剤投与
2) アシドーシス
4) 保存血輸血


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[解説] 高カリウム血症の原因は、大きく(1)K摂取量の過剰 (2)細胞外へのK流出 (3)K排泄量の減少  に分けられる。このうち、細胞外へのK流出の原因となる病態としては、アシドーシス=pH低下(H+と交換に細胞外へ流出する)、インスリン不足(インスリンは肝、筋へのK取り込みを促進)、高K血性周期性四肢麻痺、細胞崩壊(溶血、血液系悪性腫瘍の治療、筋挫滅、熱傷)、高浸透圧血症(高血糖、マンニトール投与など)、薬剤(βブロッカー、サクシン、ジギタリス)、低アルドステロン症(腎作用以外に、K分布調節を行なう) などが挙げられる。スピロノラックトンはアルドステロン拮抗剤であり、ミネラルコルチコイド作用の減弱の結果カリウム排泄が低下する。ACE阻害剤でもアルドステロンの減少を介してカリウム排泄が低下する。保存血は血球崩壊のため高カリウムである(カリウム過剰投与)。


[正解] 2 [出典] クリティカル記憶術1P203



【問題2】(硬膜外麻酔) 次のうち正しいのはどれか。

ア:脊髄硬膜は頚部より仙骨部へと次第に厚みを増す。

イ:後部の硬膜は前部の硬膜よりも厚い。

ウ:頚部では脊髄神経節は椎間孔の外に位置する。

エ:腰部では脊髄神経節は硬膜外腔に位置する。

オ:硬膜外腔の前部は、ほとんど脂肪で占められている。


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[解説] 脊髄硬膜はかなり厚い。その厚さは頚部より仙骨部へと次第に減少する。全体としては後部の硬膜は前面の硬膜より厚い。頚部では脊髄神経節は椎間孔の外側に位置するが、胸部脊髄神経節は脊椎椎間孔に位置し、腰部では脊髄神経節は硬膜外腔に位置する。硬膜外腔の前部は、ほとんど静脈で占められ、ごく少量の脂肪しかない。ただL4〜5より尾側では、硬膜は後縦靭帯を離れるため、この部分には脂肪が多い。脂肪が多く存在するので、この部分の神経根に麻酔薬が到達しない原因の一つもなる。


[正解] (イ)、(ウ)、(エ) [出典] LiSA Vol2-No7-p3〜(1995)



【問題3】(カテコラミン) 次のうち誤っているのはどれか。

ア:ノルエピネフリンは、最も強いα受容体作動薬である。

イ:瞳孔散大は、α作用による。

ウ:ドパミンは、血液脳関門を通過しにくい。

エ:ドブタミンは、選択的β1受容体作動薬である。

オ:エフェドリンは、モノアミンオキシダーゼ(MAO)およびカテコール-O-メチルトランスフェラーゼ(COMT)により代謝される。


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[解説] α作用が最も強いのはエピネフリンで、ノルエピネフリンの2〜10倍、イソプロテレノールの100倍以上の強さである。瞳孔散大筋の収縮作用は、エピネフリン>ノルエピネフリン、またイソプロテレノールでは認められないので、α作用と考えられている。ドパミンは経口投与では有効でなく、中枢神経系効果を発揮するに十分な量は脳血液関門を通過しない。ドパミンの中間前駆物質であるLドーパは、胃腸管から吸収され脳血液関門を容易に通過する。ドブタミンは選択的β1受容体作動薬である。エフェドリンはMAOによって分解されず、不変のまま腎臓から排泄される。


[正解] (ア)、(オ) [出典] 第30回麻酔指導医認定筆記試験:A22



【問題4】(喫煙) 喫煙に関して正しいのはどれか。

ア:1日10本以上の長期喫煙患者では、術後肺合併症は2〜5倍増加する。

イ:カルボキシヘモグロビンの半減期は、睡眠中では約10時間に延長する。

ウ:術前のカルボキシヘモグロビン値と術後肺合併症の頻度はよく相関する。

エ:冠動脈バイパス手術患者では、術前1〜2週間の禁煙で術後の肺合併症の頻度は減少する。

オ:喫煙者では、スパイロメトリで肺機能が正常でも、気道の過敏性が亢進している。


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[解説] 1日10本以上の長期喫煙者では、術後肺合併症は6倍増加する。10%COHb飽和を有する非喫煙患者での半減期は約4時間である。睡眠中には半減期が2倍延長するという。術前のカルボキシヘモグロビン値と術後肺合併症の頻度には相関はない。呼吸機能で改善が認められるようになるには、少なくとも4〜6週間の禁煙が必要である。冠動脈バイパス手術患者で、1〜2週間禁煙しても、術後肺合併症頻度は減少しない(高齢者の麻酔p221)。喫煙が呼吸器系に及ぼす効果として、非特異的気管支反応性の亢進が上げられる。


[正解] (ア)、(イ)、(オ) [出典] 第29回麻酔指導医認定筆記試験:B25

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