肺換気を行っている動物モデルの炎症マーカーに及ぼす低一回換気量 vs 高一回換気量の効果:前向きな研究

一回換気量.png・高一回換気量による人工呼吸は、重症患者の肺障害を誘発または悪化させる可能性がある。また、急性肺障害(ALI)、びまん性肺胞損傷(DAD)、多臓器不全(MOF)などの原因となる圧倒的な全身性炎症を引き起こし、その後の高い死亡率につながる可能性もある。本研究の目的は、ビーグル犬の動物モデルにおいて、気管支肺胞洗浄液(BAL)と肺生検の炎症マーカーに及ぼす異なる一回換気量(Vt).の影響を比較することである。

ビーグル犬 30 頭(15 頭/期)を対象とし、各期を 3 群(各 5 頭/期)に分けて 2 段階の前向き試験を行った。第 1 段階では、各群にそれぞれ Vt.8(低)、10(通常、対照群)、12(高)ml/kg 体重(b.w.)の MV で管理した。BAL 液は、気管挿管直後の麻酔導入時と MV 管理 1 時間後に採取し、マクロファージ、好中球、リンパ球を計数した。実験の第 2 段階では、第 1 段階と同様に BAL 液を採取したのに加えて、同じタイミングで右肺の上葉からミニ開胸して肺生検を行い、病理組織学的検査を行った。得られたデータの統計解析には、Mann-Whitney-Wilcoxon 検定を用いた。

BAL 液分析では、対照群(10ml/kg b.w)と比較して、Vt. が 12ml/kg b.w.の場合、マクロファージとリンパ球の数が増加した(P< 0.05)。第 2 段階で、12ml/kg b.w.の高 Vt .で管理した群から得られた肺組織の病理組織学的研究では、対照群(10ml/kg b.w.)と比較して、好中球の浸潤と気管支壁の浮腫の存在を伴う有意な炎症性変化が見られた(P<0.05)。

・換気された動物の肺モデルにおける高 Vt の使用は、健康肺でも炎症やその後の損傷のリスクが高まる可能性がある。これらの知見は、手術室で短時間の人工呼吸を行っている患者に、医師が高 Vt .を使用しないようにするために役立つと思われる。

健常肺であっても、一回換気量が多いと、肺の炎症を惹起する可能性がある。

【出典】
The effect of low versus high tidal volume ventilation on inflammatory markers in animal model undergoing lung ventilation: A prospective study
Saudi J Anaesth. Jan-Mar 2021;15(1):1-6. doi: 10.4103/sja.SJA_650_20. Epub 2021 Jan 5.

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