■ 臨床麻酔とクリティカルケアのMCQ問題 ■ 2021/05/17

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【トラブル・シューティング】〜麻酔緊急Vol.1p82

(呼吸器系)『腸重積の導入中にチアノーゼ』

生後6ヵ月の腸重積の小児に、注腸造影下整復術のためレントゲン室での全身麻酔を依頼された当直の研修医は、ハロセンによる緩徐導入を行ったが、その最中に嘔吐し、みるみるうちに全身にチアノーゼが拡がった....... 反省点:慣れたスタッフ・看護婦を動員すべきであった、モニターが貧弱であった、腸重積=フルストマックであるから緩徐導入はしてはいけなかった(筋弛緩薬を使用して急速導入すべきであった)、胃管の挿入・減圧を行うべきであった。







【問題1】(産科麻酔) 産科麻酔について正しいのはどれか?

ア:胎児心拍数120回/min未満を胎児徐脈という。

イ:妊婦では腎血漿流量は変わらない。

ウ:妊娠中にもっとも多い手術は胆嚢切除術の手術である。

エ:親水性の高い物質は胎児移行率が高い。

オ:胎児徐脈のうち早発性徐脈は頭部の圧迫によるものである。


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[解説] ア:○:胎児心拍数120回/min未満を胎児徐脈という。胎児心拍数は通常120〜160回/minである。160回/min以上を胎児頻拍という。
イ:×:妊婦では腎血漿流量、糸球体濾過率、クレアチニンクリアランスが増加する。
ウ:×:妊娠中にもっとも多い手術は虫垂炎の手術である。次いで卵巣嚢腫の茎捻転や破裂、出血に対する手術、3番目に多い手術は胆嚢切除術の手術である。
エ:×:分子量が小さく、立体構造がコンパクトで、イオン化の程度が低く、脂溶性の高い物質は胎盤移行性が高い。
オ:○:胎児徐脈のうち早発性徐脈は頭部の圧迫によるものである。変動性徐脈は臍帯の圧迫による。遅発性徐脈は子宮胎盤機能不全による。



[正解] 解説を参照 [出典] 麻酔科シークレット第2版 p412-419



【問題2】(肺疾患患者への注意) 麻酔薬の呼吸器系の影響について正しい記述はどれか。

ア:全身麻酔では機能的残気量が増加する。

イ:外科的刺激がない状態で、自発呼吸としたままイソフルランを1MAC(最小肺胞濃度)で投与した場合の方が、ハロタンを1MACで投与した場合より、動脈血二酸化炭素分圧が高くなる。

ウ:吸入麻酔後、患者が覚醒していれば、低酸素症が起きたときの反応は正常と同様である。

エ:吸入麻酔薬投与下では、高二酸化炭素症と低酸素症により、呼吸は抑制される。

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[解説] 全身麻酔により、機能的残気量は5−10%減少する。機能的残気量は全身麻酔導入後、10分程度で最低となる。低下の程度は自発呼吸でも調節呼吸でも変わらない。吸入麻酔薬は用量依存性に呼吸抑制を起こし、動脈血二酸化炭素分圧は上昇する。同じ1MACの吸入麻酔薬を投与し自発呼吸とした場合、動脈血二酸化炭素分圧の高い順に並べると、エンフルラン、イソフルラン、ハロタンとなる。強力な揮発性麻酔薬は、低酸素症に対する反応を抑制する。たとえ患者が覚醒しているような濃度でも、低酸素症に対する反応は抑制される。正常でみられる、低酸素症と高二酸化炭素症の混合による換気の増大もみられない。


[正解] (イ)、(エ) [出典] 麻酔科クリニカル問題集


■ これって常識? ■
呼吸機能検査で肺気量分画はスパイログラム,1秒量・ピークフロー・V50・V25はフローボリューム曲線,残気量はヘリウムガス希釈法またはボディプレチスモ法

1)肺活量(vital capacity,VC)の低下は,拘束性障害としてとらえることができる.一般には年齢,性別,身長より求めた予測値に対するパーセンタイル(%VC)により表現する.%VC<80が拘束性障害である.
2)肺気量と呼気流量の関係を記録したものがフローボリューム曲線であるが,努力呼気曲線およびフローボリュムカーブで換気の指標として最も一般的に用いられるのは,1秒量(FEV 1.0),および1秒率(FEV 1.0%)である.1秒率70%未満を閉塞性障害という.ピークフローは比較的太い気管支の気流障害を反映し,気管支喘息の管理の参考になる.V50/V25比の上昇は末梢気道の閉塞のよい指標となり,V50/V25比>3であれば末梢気道抵抗の上昇が存在するものと考えてよい.


[出典] 知っているつもりの内科レジデントの常識非常識 第3章 378の常識〜呼吸器編

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