小児の経鼻気管チューブの長さを推定するための 4 つの計算式の比較: 観察研究

公式.png・気管挿管が正しく行われると、換気が良くなり、低酸素状態やそれによる脳障害などの合併症を防ぎ、再挿管の試みを最小限に抑えることができる。これまでに、経鼻気管挿管チューブの長さを推定するためのいくつかの公式が発表されている。本研究では、チューブの挿入距離をより正確に推定する公式を見い出すために、提案されたさまざまな公式の精度を比較することを目的とする。

・全身麻酔下で心臓手術を受けた小児 102 名(女性 51 名、男性 51 名)を対象に、横断的な後ろ向き研究を実施した。包含基準は、挿管後の胸部 X 線(CXR)による正しい経鼻気管挿管であった。推定気管チューブ長は 4 種類の計算式で算出した。Pearson 相関係数を用いて、各計算式の推定長さと正しい経鼻気管チューブの長さの相関を求めた。また、体重、身長、年齢別に経鼻気管チューブ長を推定する計算式を求めるために、線形回帰を用いた。

L=3×チューブサイズ+2 という計算式が、チューブ長と最も相関していた(r=0.81, 信頼区間: 0.732-0.878, p<0.001)。人口統計学的変数の中では、身長がチューブの長さと最も高い相関係数を示した(r=0.83, 信頼区間:0.788-0.802, p<0.001)。そこで、身長を独立変数、チューブの長さを従属変数と考え、線形回帰を用いて、チューブの長さを決定するために以下の式が得られた:経鼻気管チューブ長=0.1×身長+7.

L = 3×チューブサイズ+2 の式と、今回提案した新しい式は、年齢 4 歳以下の小児の経鼻気管チューブ長の推定に使用できる。しかし、これらの計算式はあくまでも目安であり、聴診や CXR による確認が必要である。

※ ちなみに、この文献で比較した 4 つの公式は以下。
経鼻挿管挿入長の公式.png

経口気管チューブの適切な深さは、「チューブサイズ(ID)×3」なので、これよりも 2cm 深くする 「L = 3×チューブサイズ+2」という公式、経口気管チューブの深さを推定するモーガン公式:「身長÷10+5」から、やはり 2cm 深くするという、新しい公式「L=0.1×身長+7」は、いずれも納得できる公式だ。小児はもともと頭がでかくて、年齢差の少ないことが、定数 2 ということになるのだろう。

【出典】
Comparison of four formulas for nasotracheal tube length estimation in pediatric patients: an observational study
Braz J Anesthesiol. 2021 Apr 28;S0104-0014(21)00186-X. doi: 10.1016/j.bjane.2021.04.021. Online ahead of print.

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