腹部大手術における周術期の輸液戦略と術後成績:無作為化対照試験の系統的レビューとメタ分析

輸液管理.png・術後合併症は、早期および長期の患者の転帰に影響する。適切な周術期の体液管理「は、このような状況において極めて重要である。しかし、最も効果的な周術期の体液管理については、まだ明らかになっていない。術後回復を促進するためのパスウェイでは、周術期にゼロバランスを推奨しているが、最近の知見では、より自由なアプローチが有益であることが示唆されている。著者らは、制限的体液管理と自由な輸液管理が術後合併症や死亡率に及ぼす影響を検討するために本試験を実施した。

・無作為化対照試験(RCT)を含む系統的レビューとメタ分析である。2000 年 1 月 1 日から 2019 年 12 月 31 日までに発表された MEDLINE(via Ovid)、EMBASE(via Ovid)、Cochrane Controlled Clinical trials registe rデータベースを用いて、系統的な文献検索を行った。待機的腹部手術を受ける成人患者を登録し、各サブ群に少なくとも 15 人の患者が登録してある制限/自由アプローチの使用を比較した RCT を対象とした。心臓手術、非待機手術、小児手術、産科手術を含む研究は除外した。

・全文検索の結果、18 件の研究と 5567 名の患者が制限アプローチ(2786 名、50.0%)または自由アプローチ(2780 名、50.0%)に無作為に割り付けられた。その結果、術後の重篤な合併症の発生率は、制限アプローチのサブ群と自由アプローチのサブ群間に差がなかった[リスク差(95%CI)=0.009(-0.02、0.04)、p=0.62、I2(95%CI)=38.6%(0〜66.9%)]。この結果は、全体的なバイアスリスクが低い 5 件の研究のサブ群でも確認された。自由アプローチは、制限アプローチと比較して、全体的な腎性主要イベントの減少と関連していた[リスク差(95%CI)=0.06(0.02〜0.09);p=0.001]。術後死亡率は、制限サブ群と自由サブ群間に、早期(p=0.33)と後期(p=0.22)のいずれにも差は認められなかった。

腹部大手術の周術期において、自由アプローチと制限アプローチのどちらを選択するかは、全体の主要術後合併症や死亡率に影響しなかった。サブ群解析では、周術期輸液方針を制限する場合と比較して、自由にすると、全体的な合併症の腎性主要イベントが低くなることがわかった。

腹部手術では、術中輸液は制限するよりも、しない方が、術後腎障害のリスクが低くなるようだ。

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