脊椎麻酔下での帝王切開分娩時の血圧と心拍出量:前向きコホート研究

脊椎麻酔.png・著者らはこれまでに、母体、胎盤、胎児間の栄養伝達を in vivo で測定する方法を確立した。この方法では、脊椎麻酔を行う前にドップラー超音波で母体と胎児の血流を測定する。脊椎麻酔は母体の血圧と心拍出量に影響を与える。著者らは、待機的帝王切開を受ける母体の脊椎麻酔が血圧、心拍数、心拍出量に与える影響を調べ、脊椎麻酔導入前と分娩前の心拍出量の値が同等であるかどうかを調査することを目的とした。

・ノルウェーの三次病院前向きコホート研究で、待機的帝王切開を受ける健康な女性 76 名を対象とした。脊椎麻酔を導入し、静脈内補液とフェニレフリンの注入を含む標準的な低血圧の予防を行った。主要評価指標は母体の心拍出量、副次評価指標は観血的収縮期血圧と心拍数とした。心拍数と血圧は、橈骨動脈にカニューレを挿入した連続観血モニタリングにより測定した。心拍出量は、連続的な動脈波形に基づいて推定した。脊椎麻酔導入の 30 秒前と分娩の 30 秒前の母体パラメータを比較した。

・分娩時の年齢中央値は 34.5(範囲21〜43)歳で、76 人中 17 人が未婚であった。最も多く見られた適応症は、前回の帝王切開と母体の希望であった。対象となった 76 人の女性のうち、71 人は評価項目の分析に十分なデータを有していた。心拍出量の中央値は、脊椎麻酔前が 6.51(IQR(5.56-7.54)L/min)、分娩前が 6.40(5.83-7.56)L/min(p=0.40))であった。観血的収縮期血圧の中央値は 128.5(120.1-142.7)mmHg から 134.1(124.0-146.6)mmHg に上昇し(p=0.014)、平均心拍数は 86.0(SD 13.9) から 75.2(14.2)に減少した(p<0.001)

帝王切開分娩時の母体の心拍出量は、脊椎麻酔導入前の値と同程度である。

脊椎麻酔によって後負荷が減少するので、心拍出量は増加するのかと思ったが、同時に前負荷も減少するので、あまり変わらないということなのかな。

【出典】
Blood pressure and cardiac output during caesarean delivery under spinal anaesthesia: a prospective cohort study
BMJ Open. 2021 Jun 14;11(6):e046102. doi: 10.1136/bmjopen-2020-046102.

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