外科手術を受ける肥満患者と非肥満患者における気道イベント:横断的観察研究

肥満4.png・肥満は、英国ではますます一般的になっている合併症である。本研究の目的は、待機中の手術患者に占める肥満患者の割合を明らかにすることであった。第 2 の目的は、肥満患者と非肥満患者の気道確保の方法と気道イベントの発生率を調査することである。

・2018 年 3 月に、ロンドン広域の病院 39 施設で、2 回の 24 時間にわたって横断的観察研究を行った。1874 人の患者に関するデータを収集した。肥満の発生率は、英国の一般人口の 26% に対し、研究対象者では 32% であった(p<0.0001)。軽度の気道イベントとしては、Sp O2 飽和度低下<90%、マスク換気の失敗、声門上気道器具の問題、誤嚥、気道外傷と挿管困難、食道挿管の認知と定義された。重大な気道イベントとしては、認識されていない食道挿管、「挿管不能、酸素供給不能」の緊急事態、予定外の前頸部気道切開の必要性、心停止、気道イベントによる予定外の集中治療室入室、と定義された。

・合計で 89 件の軽微な気道イベントと 2 件の重大な気道イベントが記録された。肥満患者は軽度の気道イベントを経験する可能性が高く(RR 2.39、95%CI 1.60-3.57)、最も多かったのは酸素飽和度低下(Sp O2<90%)であった。肥満の患者と非肥満の患者では、声門上気道器具の使用が気道イベントの増加と関連していた(RR 3.46[1.88-6.40])。気管挿管と声門上気道器具の使用は、肥満度に応じて増加したが、気道イベントの減少とは関連しなかった(RR 0.90[0.53-1.55])。

・これらのデータから、外科系の待機患者では一般集団と比較して、肥満が多く見られ、軽度の気道イベントは肥満の待機患者の方が、非肥満待機患者よりも多く見られることが示唆された。

肥満は、手術を必要とする内臓疾患や外傷を誘発したりするから、待機手術患者では一般集団より肥満の割合が高くなるのだろう。肥満が高度になるにしたがって、気道閉塞は起こりやすくなり、気道イベントは増えて当然だろう。

【出典】
Airway events in obese vs. non-obese elective surgical patients: a cross-sectional observational study
Anaesthesia. 2021 Jun 22. doi: 10.1111/anae.15513. Online ahead of print.

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