下肢骨折手術における糖尿病患者と非糖尿病患者の術後疼痛および鎮痛必要量の比較-前向き観察研究

糖尿病.png・糖尿病患者は通常、神経障害性疼痛を経験し、オピオイドに対する反応が低下している。骨折は急性疾患であり、そのため痛みが強い。糖尿病患者の骨折と術後痛に関連したデータはない。本研究は、下肢骨折の手術を受ける糖尿病患者と非糖尿病患者の術後疼痛と鎮痛剤の必要量を評価し、糖化ヘモグロビン(HbA1c)が術後疼痛に及ぼす影響を検討するために実施した。

・本調査は、脊椎麻酔下で待機的下肢骨折手術を予定している非糖尿病患者および糖尿病患者からなる 80 名を対象に実施された前向き観察研究である。HbA1cは、研究対象となった全患者で行われた。術後の視覚アナログスケール(VAS)と鎮痛剤使用量は、患者の糖尿病/非糖尿病状態を知らされない麻酔科医によって評価された。VAS は 2 時間おきに 24 時間評価し、VAS が 4 以上ならばレスキュー鎮痛を行い、記録を保存した。術後には鎮静スコアと副作用も記録された。統計解析は、カテゴリー変数の解析にはカイ二乗検定を用い、連続変数の解析には Student t 検定を用いた。

糖尿病群では VAS スコアが有意に高く、P≦0.05であった。レスキュー鎮痛剤の必要量は両群で有意差があり、糖尿病患者の方がより多くの鎮痛剤の補充を必要とした(P=0.025)。全体的な患者満足度は糖尿病群で低かった(P=0.004)。2、16、18、20、22、24 時間目の糖化ヘモグロビンと VAS との間に統計学的に有意な相関が認められた。

糖尿病患者の下肢骨折では、術後疼痛および鎮痛剤の必要量が有意に多かった。糖化ヘモグロビンは VAS 高値と良い相関を示した。

糖尿病のコントロール状態が不良だと、術後痛が強くなるのか。

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この記事へのコメント

silkhat
2022年04月19日 09:30
おはようございます。糖尿病患者では末梢神経障害があるので心筋梗塞の痛みに気付きにくいとかは有名な話ですし、末梢神経ブロックも強く効きやすい特徴があります。ですが、痛みに鈍いわけではなく、かえって逆なのですね。痛みって難しいですね。
SRHAD-KNIGHT
2022年04月19日 10:12
silkhatさん、コメントありがとうございます。

>糖尿病患者では末梢神経障害があるので心筋梗塞の痛みに気付きにくいとかは有名な話ですし・・・

糖尿病患者さんは明らかな末梢神経障害がなくても、潜在的な神経障害があって、麻酔は効きやすく、痛みに鈍感なのだろうと思っていたので、本論文の結果は意外でした。

>痛みに鈍いわけではなく、かえって逆なのですね。痛みって難しいですね。
神経障害ががあるから、鎮痛剤も正常人と同様には効かないということなのでしょうかね~。