■ 臨床麻酔とクリティカルケアのMCQ問題 ■ 2022/07/06

MCQ55.png



【問題1】(静脈麻酔) ジアゼパムについて正しいのはどれか。

ア:腸管からの吸収は速く、血漿中濃度は1時間前後で最高になる。

イ:血漿蛋白との結合率は高い。

ウ:血漿中濃度の半減期は6時間前後である。

エ:胎盤を通過しない。

オ:鎮静作用はフィゾスチグミンで拮抗できない。


    ▼

    ▼

    ▼

[解説] ジアゼパムは経口投与後胃腸管から急速に吸収され、血中濃度は、成人では約1時間、小児では15〜30分でそれぞれ最高値に達する。蛋白結合率は96〜99%と高い。血漿中濃度の半減期は、21〜37時間と長い。脂溶性が高く速やかに胎盤を通過し、母体に投与された2〜3分以内に胎児との間に平衡関係が生じる。分娩後の血漿中濃度の低下は、児の代謝能力が低いため母体より遅れる。鎮静作用や呼吸抑制作用はフィゾスチグミン、フルマゼニルで拮抗できる。


[正解] (ア)、(イ) [出典] 第28回麻酔指導医認定筆記試験:B1



【問題2】(体液・電解質) 体液量の調節と異常について正しいのはどれか?

ア:低体温はADH分泌の刺激因子である。

イ:アルドステロンは副腎皮質の束状層で合成、分泌される。

ウ:高カリウム血症ではアルドステロン分泌が刺激される。

エ:生理食塩水を大量に投与すると高塩素性代謝性アシドーシスが起こる。

オ:高ナトリウム血症は、腎臓の傍糸球体細胞からレニンの分泌を促す。


    ▼

    ▼

    ▼

[解説] ア:×:低体温はADH分泌の抑制因子である。逆に高体温は、ADH分泌の刺激因子である。高体温では汗や不感蒸泄で水分が失われるので、尿として水分が失われるのは都合が悪いのでADH分泌が増加する。
イ:×:副腎皮質は外層から球状層、束状層、網状層に分けられるが、球状層ではアルドステロン、束状層では糖質コルチコイド、網状層では両者の前駆体である副腎皮質アンドロゲンを合成する。
ウ:○:低ナトリウム血症、高カリウム血症、循環血液量減少、ACHTの増加、外科手術ではアルドステロン分泌が刺激される。
エ:○:生理食塩水を大量に投与すると高塩素性代謝性アシドーシスが起こる。
オ:×:循環血液量減少、低ナトリウム血症、低血圧は、腎臓の動脈圧の低下は、腎臓の傍糸球体細胞からレニンの分泌を促す。



[正解] 解説を参照 [出典] 麻酔科シークレット第2版 p21-27



【問題3】(麻酔) 患者体位について正しいのはどれか?

ア:頭蓋内圧が上昇した患者ではTrendelenburg体位は禁忌である。

イ:術後神経損傷の中で、正中神経損傷がもっともよく起こる。

ウ:呼気終末二酸化炭素の低下は右房圧の上昇よりも静脈内空気塞栓の感度が高い。

エ:砕石位の手術を受けた患者の1〜2%で下肢の末梢神経障害が発生する。

オ:仰臥位では、機能的残気量と全肺気量は増加する。


    ▼

    ▼

    ▼

[解説] ア:○:Trendelenburg体位は、頭蓋内の静脈灌流が悪くなる結果、頭蓋内圧・眼圧が上昇する。頭蓋内圧が上昇した患者ではTrendelenburg体位は禁忌であるが、健常患者での有害転帰は報告されていない。
イ:×:術後神経損傷の中で、尺骨神経損傷がもっともよく起こりやすいが、その頻度は比較的まれである。50歳以上の男性に多く術後数日たって発症する。
ウ:○:呼気終末二酸化炭素の低下は右房圧の上昇よりも静脈内空気塞栓の感度が高い。静脈内空気塞栓のモニター感度は、経食道心エコー=ドプラー超音波>呼気終末窒素濃度の増加>呼気終末二酸化炭素濃度の低下>右房圧上昇>食道聴診器 である。
エ:○:砕石位の合併症でもっとも多いのは、下肢の末梢神経圧迫がもっとも多い損傷で、手術を受けた患者の1〜2%で下肢の末梢神経障害が発生する。
オ:×:仰臥位では、腹腔内容が横隔膜を押し上げる結果、機能的残気量と全肺気量は減少する。



[正解] 解説を参照 [出典] 麻酔科シークレット第2版 p140-146



【問題4】(手術室以外での麻酔) 向精神薬を服用している患者について正しい記述はどれか。

ア:三環系抗うつ薬治療を受けている患者では、エフェドリンで高度の高血圧を起こすことがある。

イ:モノアミン酸化酵素阻害薬を服用している患者にメペリジンを投与すると、高体温となることがある。

ウ:フェノチアジンを服用している患者は低体温になりやすい。

エ:リチウムを投与されていると筋弛緩薬に対する感受性が低下する。

    ▼

    ▼

    ▼

[解説] 三環系抗うつ薬は、カテコラミンの神経終末への取り込みを阻害し、中枢神経系のアドレナリン作用性システムの緊張を増加させる。ハロタン、パンクロニウムとの併用で、心室性不整脈を起こすことがある。交感神経刺激薬に対して過剰な反応を示すことがある。モノアミン酸化酵素阻害薬を投与されている患者に、メペリジンやエフェドリンのような交感神経刺激薬を投与すると、高血圧、高熱、痙攣を起こすことがある。リチウムはナトリウムチャンネルに作用し、心臓や神経の興奮性を低下させる。リチウムはチオペンタールからの覚醒を遅延させる。スキサメトニウム、パンクロニウムの作用を増強する。


[正解] (ア)、(イ)、(ウ) [出典] 麻酔科クリニカル問題集

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント