術前の鎮静催眠薬の使用と術後の有害転帰

催眠鎮静薬.png● 術前の鎮静催眠薬の使用はよく見られるが、術後転帰への影響は不明である。特にオピオイドと併用した場合、鎮静催眠薬の術前使用は、一般的な外科手術後の有害転帰のリスクを高める。

・研究の目的は、術前のベンゾジアゼピンと非ベンゾジアゼピン受容体作動薬(「Z 薬」)の使用と術後有害転帰との関連を明らかにすることであった。ベンゾジアゼピンと Z 薬の処方は、過去 10 年間で増加している。それにもかかわらず、術前のベンゾジアゼピンと Z 薬の処方と術後有害転帰との関連は不明である。

・Optum Clinformatics Datamart を使用して、2010 年から 2015 年中に 10 種類のよくある外科手術のいずれかを受けた年齢 18 歳以上の成人を対象に、後ろ向きコホート研究を実施した。主要暴露因子は、手術の 90 日以内のベンゾジアゼピン、あるいは Z 薬の 1 種類以上の処方であった。主要評価項目は、(1)薬物関連の有害な医療事象または過剰摂取、または(2)術後 30 日以内の外傷のいずれかによる救急受診か、入院であった。

選択基準を満たす 785,346 人の患者のうち、94,887 人(12.1%)がベンゾジアゼピンまたは Z 薬の術前処方を受けていた。多変数ロジスティック回帰から、ベンゾジアゼピンまたは Z 薬の使用は、術後有害事象のオッズ増加と関連していた[オッズ比 1.13; 95%信頼区間:1.08-1.18)。別の回帰では、ベンゾジアゼピンまたは Z 薬とオピオイドとの併用処方は、術後有害事象のオッズ 1.45 倍(95%信頼区間:1.37-1.53??)と関連していた。

術前のベンゾジアゼピンと Z 薬の使用はよく見られ、特にオピオイドと一緒に処方された場合、術後の有害転帰のオッズ増加と関連している。待機的手術の前に適切なベンゾジアゼピンと Z 薬の使用に関するカウンセリングを行うと、外科治療の安全性が向上する可能性がある。

ずいぶんと以前から、術直前のいわゆる「前投薬」はしなくなったが、それでも日常的な内服薬として睡眠薬や精神安定剤を処方されている患者は昔よりも確かに多い。術後の有害転帰の一員になっている可能性はあるな。

【出典】
Preoperative Sedative-hypnotic Medication Use and Adverse Postoperative Outcomes.
Ann Surg. 2019 Aug 12. doi: 10.1097/SLA.0000000000003556. [Epub ahead of print]

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